2025/08/04

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文化・社会

フランス発の世界同時企画「思想の夕べ」、台北でも開催

2018/01/26
台北市中正区の中正紀念堂で25日午後6時から翌日午前2時にかけて、フランス発の世界同時企画「思想の夕べ(la nuit des idees)」が行われた。写真は文化部(日本の文部科学省に類似)の鄭麗君部長(=大臣)。(台湾芸文空間連線フェイスブックページより)
フランス発の現代アートを楽しむ一夜限りの祭典「ニュイ・ブランシュ(白夜祭)」を2016年、2017年の2年連続で開催した台北市(台湾北部)が、フランスの外務大臣ローラン・ファビウスの提唱で始まった世界同時企画「思想の夕べ(la nuit des idees)」に加わった。今年のテーマは「権力に想像力を」。これは、1968年のパリ五月革命でデモ参加者がパリ中の壁に書きつけたスローガン「想像力が権力を奪う」を由来とするもの。イベントに出席した文化部(日本の文部科学省に類似)の鄭麗君部長(=大臣)は、来年は空総創新基地(TAF、台北市大安区)に完成予定の文化実験室で「思想の夕べ」を開催したいと述べた。
 
「思想の夕べ」は25日、台北市中正区の中正紀念堂(蒋介石元総統のメモリアルホール)で開催された。フランス在台協会(台湾におけるフランス大使館に相当)の紀博偉(Benoit Guidee)主任(=大使)は開幕のあいさつで、「権力に想像力を」は1968年にフランスで発生したパリ五月革命の重要なスローガンに由来するもので、古い考え方で未来を思考すべきではないという精神を意味していると説明した。
 
フランス外務省は2016年、初めて「思想の夕べ」を開催した。翌年は海外でも同時開催。2018年には世界100都市が参加する世界同時企画に成長した。アジアでは台北のほか、香港、ソウル、東京、バンコクなどの都市が参加している。台北では25日夜、中正紀念堂演芸ホールにて開催された。
 
台北で開催された「思想の夕べ」では、21世紀の課題となる経済、教育、民主政治の今後のモデルについて考えた。そのうち「経済」のセッションでは、仏Adapt Innovation社の創設者Vincent Lassalle氏が、かつて10カ月かけて実施した世界一周旅行の体験をもとに、社会の転換にはどのような新経済モデルが必要かということをまとめた。
 
また、台湾の春池玻璃(Spring Pool Glass Industrial Co., Ltd.)の呉庭安董事長特助(=会長秘書)が、同社が実施するガラスのリサイクルによって生み出す循環型経済について説明した。呉氏は、従来の消費はすなわち消耗することだったが、将来的には、消費はすなわち新たな創造へと生まれ変わるだろうと自身の見解を語った。
 
「教育」のセッションでは、台湾でも出版されている『学習如何学習(= Learning How to Learn)』の作者Jerome Saltet氏と、台湾で「独学の父」と呼ばれる陳怡光氏が、脱中心化の実験教育について語ると共に、ロボットを教師として学ぶという想像について聴衆と議論した。
 
「思想の夕べ」は25日午後6時から26日午前2時まで行われた。
 

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