2025/08/02

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文化・社会

行倫邑さんが仏のデザート・チャンピオンシップ地区大会で準優勝

2018/02/23
フランスの大統領官邸であるエリゼ宮殿で3年近く勤務している台湾のパティシエ、行倫邑さん(左)。右は今年のフランス・デザート・チャンピオンシップ地区大会で準優勝した行さんの作品。(左は行倫邑さんのフェイスブックより。右は行倫邑さん提供、中央社)
フランスの大統領官邸であるエリゼ宮殿で3年近く勤務している台湾のパティシエ、行倫邑(Lun-Hy HSING)さんが今年のフランス・デザート・チャンピオンシップ(Championnat de France du Dessert)の地区大会に出場して準優勝した。「おいしさ」を競う項目では最高得点だった。
 
フランス・デザート・チャンピオンシップはフランスの「糖類資料及研究中心(Centre d'Études et de Documentation du Sucre, CEDUS)」が開催しており、プロフェッショナルと青年の2グループに分けて毎年最優秀パティシエを選出する。まず、フランス全土を複数の地区に分け、地区大会を通じて代表を1人選ぶ。そして各地の代表が4月初めにグレノーブルで行われる全国大会に出場する。
 
32歳の行倫邑さんは北部の地区大会にプロフェッショナルとして参加、大会はフランス西北部の都市、カレーで行われ、行さんをはじめとする8人が腕前を競った。試合では3時間のうちに10人分のプレートデザートを完成させなければならなかった。
 
行さんは昨秋から構想に取り掛かり、パッションフルーツ、ヤシ、カラメルを組み合わせた異国風フルーツスフレをデザイン、さらにアイデアを施してシューの中に詰めた。審査員たちはこれを絶賛、「おいしさ」の項目で最高点を得たが、もう1人の出場者が作業を1段階終えるごとに道具を消毒し、「清潔さ」の点数を稼いだことで差をつけられた。行さんが同大会に参加するのは二度目だったという。
 
1986年生まれの行倫邑さんは19歳の時からデザートの世界を夢見るようになったが、兵役に就いたため、2011年になってようやくデザートの研究に取り掛かった。業界の多くのパティシエが青少年の時に学び始めるのに比べて、スタートはとても遅かったという。
 
行さんは志願兵として服役した4年間、フランスへの留学資金を貯めた。また、実習の機会を求める過程では、勇気を出して履歴書、動機を説明した書類、作品の写真を携えて直接エリゼ宮殿の窓口を訪ねた。行さんによれば、その時、宮殿に近づくと警察は拳銃を抜く構えを見せた。このため行さんは道を挟んで、宮殿で実習するにはどうしたらいいかをたずねに来たと説明したのだという。1カ月あまり経ってから採用通知が届き、行さんは2015年の夏からエリゼ宮殿で実習するようになった。ほどなくして正規職員として採用された。
 
フランスの日刊紙、「ル・パリジャン」はエリゼ宮殿のシェフ、Guillaume Gomezさんの話として、行倫邑さんは実習期間からその仕事のクオリティと積極的な態度が印象的で、ちょうど正規の欠員があったため採用したと伝えている。
 
 

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