2025/06/22

Taiwan Today

文化・社会

台湾のレスキュー隊員、国際大会で交通事故への優れた対応能力示す

2018/05/29
台湾南部・屏東県の消防局レスキュー隊で隊長を務める鄭建徳さん(右から2人目)が各県・市の消防隊員6名とチームを組んでフランスの「交通事故現場での救助技術大会」に参加した。写真は中華民国の国旗を広げて喜ぶチームの面々。後ろには事故を想定して折り重なった自動車が見える。(鄭建徳さん提供、中央社)
台湾南部・屏東県の消防局特捜大隊(レスキュー隊)で隊長を務める鄭建徳さんはこのほど、各県・市の消防隊員6名とチームを結成、フランスで26日に開かれた「交通事故現場での救助技術大会(EXTRACTION CHALLENGE 2018)」に出場した。大会では交通事故を模した現場で、閉じ込められた人を救出する技術が競われた。台湾チームはあわてず冷静に任務を果たし、高水準の救助技術を発揮して高く評価された。
 
競技のあと、消防隊員の一人はただちにフェイスブックに投稿、「これらの人たちは特別な人ではない。みなの周りにいる末端の消防隊員だ」と書き込んだ。屏東県の潘孟安県長(知事)もフェイスブックで、「災害救助の技術で世界とリンクし、台湾の持つ実力を証明した」と称えた。
 
このチームのメンバーは鄭建徳さんの他、屏東県消防局特捜大隊の洪柏軒小隊長、新北市(台湾北部)消防局の方偉至小隊長、桃園市(同北部)消防局の陳宥佐小隊長、台中市(同中部)消防局の蔡忠陵隊員と沈文煜隊員、彰化県(同中部)消防局の王佑仁分隊長。彼らはみな、自費でフランスでの大会に参加。屏東県消防局の許美雪局長によると、屏東県は昨年、全国車体破壊競技大会を行った実績がある。鄭建徳さんはフランスでの大会開催を知ると許局長に出場を願い出たが、公費申請の手続きが煩雑だったため7名のメンバーはいずれも自費で参加することになったという。
 
鄭建徳さんは屏東県消防局を通じて、「フランスの消防隊員は台湾について全く知らなかったので地図を使って説明した。チームの協力企業が用意してくれたユニフォームの二の腕に付いているワッペンには国旗がデザインされている。外国の人たちにもアジアにある台湾が救助活動を極めて重視し、命を尊重していることを知らしめた。オリジナルのTシャツも隊員たちが自費で作って外国の人たちにプレゼントした」と伝えた。
 
メンバーたちは中華民国(台湾)の国旗を広げて記念写真を撮影、「我々は台湾からやって来た」、「仲間たちと一緒に国際大会に出て、実力で世界からの称賛と尊重を勝ち取った。陰ながら支えてくれる家族たちに感謝する。我々が自費で参加し、このチームの交通事故救助能力が世界をリードするレベルにあることを証明するのをサポートしてくれた」と口々に話したという。
 
台湾では過去に、レールの破壊による列車転覆事故が起きた。このためメンバーたちは今回、フランスでの大会後、ポルトガルに移動し、大型車両事故での救助活動を学ぶことにしている。列車や高速鉄道、バス、都市交通システムの事故車両を救助活動のために破壊するもので、事故現場において最短時間で車体を壊し、要救助者を救い出すことが求められる。
 
 

ランキング

新着