2025/06/27

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文化・社会

中秋と秋分の順序が翌年の収穫の出来を決める?

2018/09/21
今月23日(日)は24節気の一つ、秋分である。そして翌24日(月)は中秋節(旧暦8月15日、中秋の名月)を迎える。秋分と中秋は、どちらが先にくるか決まっていない。しかし、我々の祖先は長年の経験から、秋分と中秋のどちらが先に来るかで、翌年が豊作になるかどうかを予測していたようだ。写真は黄経という座標における太陽の位置と24節気について示した図。(台北市立天文科学教育館より)
今月23日(日)は24節気の一つの秋分である。そして翌24日(月)は中秋節(旧暦8月15日、中秋の名月)を迎える。中秋節はいつでも秋分の翌日に来るのだろうか?その答えは「NO」だ。秋分と中秋、どちらが先にくるかは決まっていない。しかし、我々の祖先は長年の経験から、秋分と中秋のどちらが先に来るかで、翌年が豊作になるかどうかを予測していたようだ。
 
文字だけ見ると、秋分と中秋はどちらも「秋」と関係があるように思える。しかし、これらが持つ意味は実は大きく違う。
 
秋分は24節気の一つだ。天文学上は、黄経という座標において太陽が180度を通るときであり、一般的には太陽暦の9月22日から24日の間となる。秋分となる日は、太陽が赤道上にあるため、昼夜の長さが等しくなる。その後は冬至にかけて、太陽の位置が赤道からやや南へ移っていく。このため秋分をすぎると涼しくなり、北半球では秋が始まる。旧暦では、秋分の期日は固定していない。たいていは旧暦8月になることが多いが、たまに閏7月に当たる場合もあり、必ずしも満月の日になるとは限らない。
 
一方、中秋は月の動きによって決まるものなので、旧暦8月15日と決まっている。太陽暦ではたいてい9月に当たる。たまに旧暦に閏月が入る場合、太陽暦の10月上旬にずれ込む場合がある。例えば1900年から2056年の暦を見てみると、最も早い中秋は太陽暦の9月7日で、最も遅いものでは10月8日となっている。
 
丸い月は一家団欒の象徴と言われ、中華圏では中秋の日になると、家族や親しい友達と集まる風習がある。また、この日は月の神の誕生日でもあり、かつて中国の皇帝たちは中秋の日になると月を祀ったり、拝んだりする儀式を行っており、その後、それが民間に伝わったと言われている。中華圏ではまた、この日は土地公(土地の神様)の誕生日とされ、「秋社」とも呼ばれる。このため中秋を「社日」と呼ぶこともある。
 
かつて中国には中秋の概念がなく、あるのは秋分だけだったという説もある。なぜならかつての人々が使用していたのは陰暦(現在でいうところの旧暦)であり、陰暦では秋分に相当する月日が固定されておらず、人々の生活を混乱させるだけだったからだ。なお、旧暦8月15日を中秋節とし、秋の収穫を祝うようになったのは唐の時代からだと言われている。中秋と秋分は制定された原理がもともと違うため、この2つが同じ日になる確率も高くはない。最大で16日も離れる年もあるほどだ。
 
最近の例を挙げると、中秋と秋分が同じ日になったのは1980年9月23日のことだった。そして次にこの2つが同じ日になるのは2048年9月22日。実に68年ぶりとなる。
 
冒頭で述べたように、今年は9月23日(日)が秋分で、翌24日(月)が中秋となる。この2つがわずか1日違いになるのも珍しいことで、前回は19年前の1999年、次回は2037年であるから、また19年後ということになる。
 
農業生活が中心だった我々の祖先は、中秋と秋分のどちらが先に来るかで、ある興味深い傾向を導き出していたようだ。清の時代の『清嘉録』という書物には、農業に関する言い伝えとして「分後社、白米遍天下:社後分、白米像錦墩」というものを紹介している。その意味は、秋分が中秋より先に来ると、翌年は豊作となるが、その逆の場合は豊作にはならないというもの。
 
さて、今年の秋分は中秋より1日早い。ということは、来年は豊作となるのだろうか?ぜひその目で確かめて欲しい。
 

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