国立台湾科技大学(台湾北部・台北市)は2日に出したプレスリリースで、学生たちの科学者に対する認識と科学への理解を深めるため、「科学者による恋愛語録創作コンテスト」を実施したと明らかにした。同コンテストでは、ジュール、ニュートン、ワット、ケルヴィン卿(ウィリアム・トムソン)、ファラデー、アンペールの6人を対象に恋愛語録を創作。学生たちはこのイベントを通じて科学者たちの背景をいっそう理解すると共に、科学の知識を元にした独特でロマンチックなセリフを考え出した。
同コンテストには40作品が応募。電気工学科の学生である李曜亘さんは、ニュートン語録として、「私が成功したのは巨人の肩の上に乗っていたから。私が幸せなのは君を心にとどめているから」を応募、見事最高人気賞を獲得した。元になったニュートンの言葉は、「私がかなたを見渡せたのは、巨人の肩の上に乗っていたから」。
化学工学科の郭家宏さんは、ケルヴィン卿の言葉として創作した、「絶対温度は私の名前を以って単位とする。ならば美しさの単位は君の名前だ」でロマンチック賞を受賞。絶対温度はその目盛りの必要性を説いたケルヴィン卿の名が単位となっている。また、もう1人の人気賞受賞者は材料工学科の呉婉瑄さん。作品はニュートンの慣性の法則から考えたもので、「あなたを愛するという慣性に私は抗えない」。
その他の恋愛語録には、ジュールのエネルギー保存の法則から発想した、「エネルギーの総量がずっと同じかどうかに興味はない。ただ君をずっと愛していたいだけ」や、アンペールの右手の法則をもじった、「私の右手は磁場を指すためのものではなく、君を探すためのものだ」、ワットが蒸気機関の改良で産業革命の進展に寄与したことを題材にした、「私は蒸気機関を改良して産業革命をもたらしたが、君はちょっとした作戦で私の心を奪っていった」、ファラデーの法則(磁場の変化によって電流が生まれる)を利用した、「コイルは磁場の変化で電流を生み出す。私の心は君のせいで波打つ」などがあった。
国立台湾科技大学教育センターの游適宏主任によれば、多くの人は物理の授業でエネルギーや熱量は何ジュールか計算したことがあるし、1ニュートンの力で物体を1m動かす時に必要なエネルギーの大きさが1ジュールだと知っているが、ジュールという科学者について知っているとは限らない。今年はジュールの生誕200周年で、同大学では「ジュール生誕200年記念活動」を行った。游主任は科学と科学者のつながりを明確にし、学生たちが科学者と科学の知識をさらに知ることが出来るようにしたいと述べている。