2025/05/29

Taiwan Today

文化・社会

中研院などによるサブミリ波電波干渉計をデンマークの首相が見学、将来の提携にも言及

2018/11/08
中央研究院が米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターと共にグリーンランドに設置したサブミリ波電波干渉計をデンマークのラスムセン首相(前列右から2人目)が見学、将来の協力関係の可能性に言及した。(チューレ空軍基地提供、中央社)
台湾の最高学術研究機関、中央研究院(中研院)天文及び天文物理研究所(ASIAA)は米国のハーバード大学と共同でグリーンランドに望遠鏡を設置、今年から国際的なプロジェクトに加わっている。
 
中央研究院天文及び天文物理研究所は7日、フェイスブックを通じて、10月29日午前にこの望遠鏡をデンマークのラース・ルッケ・ラスムセン(Lars Lokke Rasmussen)首相が見学したことを明らかにした。それによると、ラスムセン首相はこの日、チューレ空軍基地を訪れた機会を利用して望遠鏡を見学、強い興味を示したという。この望遠鏡が国際的な観測プロジェクトに加わって以来、一国の元首がここを訪れるのは初めて。
 
ラスムセン首相は中央研究院天文及び天文物理研究所の松下聡樹研究員によるプロジェクトに関する説明に熱心に聞き入った他、将来、デンマークがこの研究グループと協力できる可能性についても言及した。
 
この望遠鏡は中央研究所天文及び天文物理研究所が主体となって酷寒の環境に耐えられるよう改造したもので、ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(SAO)と共にグリーンランドに運んで設置。口径は12mで、現時点で唯一、北極圏内にあるサブミリ波電波干渉計だという。
 
同研究所の博士後研究員、周美吟女史によれば、この望遠鏡は台湾と米国が協力することで設置、運営されているが、台湾の研究グループが主導しており、建設したのも台湾から来たエンジニアたちだという。この望遠鏡はすでにブラックホールに関する国際的な研究プロジェクトに加わっており、今後、ハワイにあるサブミリ波干渉計(SMA)、チリにあるアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)などと共に、地球の直径に近い口径の電波望遠鏡を形成することになる。これにより将来はブラックホールの姿を映像としてとらえられることが期待できるということ。
 
 

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