2025/06/24

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先天性心疾患の綺綺ちゃん最後のスタンプが人気に、医師が感動

2018/11/22
先天性心疾患で亡くなった女の子、綺綺ちゃんによる恐竜の絵で作られたLINEスタンプが大きな反響を呼び、心臓病の児童を支援する団体に多額の寄付ができることに。写真は施景中医師がフェイスブックに投稿した写真。(施景中さんのフェイスブックより)
産婦人科医の施景中さんは13日、自身のフェイスブックで、先天性の心疾患のため今年10歳で亡くなった綺綺ちゃんの両親が6万台湾元(約21万7,000日本円)を児童のための公益団体に寄付することを紹介した。綺綺ちゃんは施さんが取り上げた女の子で、先天性の複雑な心疾患のため生まれてから手術を重ねることになった。今年夏の手術が成功すれば健常者と同じようになれるはずだったが、手術後、綺綺ちゃんが再び目を覚ますことはなかった。
 
綺綺ちゃんは絵が得意で、特に恐竜の絵を好んで描いた。綺綺ちゃんは、「健康になりたい」という思いを恐竜の力強さに重ねていた。綺綺ちゃんの死後、施さんが中心となり、綺綺ちゃんの残した恐竜の絵の数々がスタンプ(コミュニケーションアプリの「LINE」で使用される絵文字)集として売り出された。9月下旬に発売されたこのスタンプ集は大きな反響を呼んでいる。スタンプによって得られた収入は、必要経費を除いて全額、中華民国児童心臓病基金会に寄付されることになっており、その金額はすでに1,749万日本円(約484万台湾元)に達した。
 
施景中さんの投稿によれば、綺綺ちゃんのスタンプ集、「綺綺的恐龍綺想世界(Chi-Chi's dinosaur wonderland)」は9月から10月にかけてのLINEスタンプMVPと新人賞(いずれも台湾)の「二冠王」となり、それぞれ3万台湾元の賞金が贈られることになった。今回綺綺ちゃんの両親は、この賞金も児童を対象にした複数の公益団体に寄付するのだという。LINEスタンプの9月と10月分の分配金(販売金額の約35%)は1,944万日本円に達し、日本での税金と送金手数料を差し引くと1,749万日本円となる。
 
施さんは、綺綺ちゃんの絵をLINEスタンプにしようと初めて思った時には、自分が買って人にプレゼントする分も合わせて1万台湾元から2万台湾元(約3万6,000日本円から7万2,000日本円)の収入があればいい方だと考えていたが、予想をはるかに上回る反響だと驚きを隠さない。施さんはしかし、「台湾には思いやりのある人が多い」とは言いたくないという。それは、調べると海外の人たちもこのスタンプを買ってくれているからで、施さんはこのため、「この世界には思いやりのある人が本当に多いんだ」と綴っている。
 
 

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