台湾で2,100万人の登録ユーザーを持つコミュニケーションアプリのLINE(ライン)。台湾の人々にとってはもはや、日常生活や仕事において必要不可欠なツールになっている。LINEは26日、「2018年度重点統計ランキング」を発表した。その内容は以下のとおり。
■人気機能ランキング
まず、LINEの2018年「人気機能ランキング」では、トークルーム内で特定のメッセージを上部にピン留めできる「アナウンス機能」が第1位に輝いた。台湾での人気トップだったばかりでなく、2018年にこの機能を使ったユーザー数を国・地域別で見ても、台湾は世界トップだった。第2位はトークルームで特定のメッセージを引用・返信できる「リプライ機能」、第3位は24時間以内であればメッセージを消すことができる「送信取消機能」がランクインした。地域・国別で見ても、台湾は「リプライ機能」の1日当たりの利用ユーザーが最も多かった。「送信取消機能」も、台湾は日本に次いで2番目に利用が多いことが分かった。
■人気スタンプランキング
LINEスタンプは、公式スタンプとクリエーターズスタンプの2つに分けられる。2018年の公式スタンプの人気ランキングでは、台湾の人気クリエーターのオリジナル作品が上位3位を占めた。1位は効果音入りの動くスタンプ「好想兎(Very Miss Rabbit)」、2位は「豆卡頻道(DOCA 明るすぎる犬)」、3位は「白爛猫(ランラン猫)」だった。
クリエーターズスタンプの人気ランキングでは、昨年に引き続き「白爛猫(ランラン猫)」が1位に輝いた。今年、初めてランク入りした「晴天P莉(Sunny Pli)」や「小圓帽(Happy girl Word)」などは人気上昇中のスタンプだ。
2018年の人気クリエーターズスタンプには4つのトレンドが見られた。1つは自分専用の「名前入りスタンプ」、2つ目は時事ネタや選挙候補者のキャラクターを取り入れた「選挙スタンプ」、3つ目は今年社会現象となった中国の宮廷ドラマから派生した「宮廷スタンプ」、4つ目は実用性を追求した「デカ文字スタンプ」。そのうち「名前入りスタンプ」で最も売れたのは、苗字部門の上位3位が「陳先生」、「陳小姐」、「林小姐」(=先生、小姐はそれぞれ男性と女性の敬称)。名前部門の上位3位は「怡君」、「雅婷」、「雅雯」だった。
なお、LINEの統計によると、台湾はユーザー1人当たりのスタンプ保有量が世界で最も多い。スタンプを購入するユーザーで最も多い年齢層は20~39歳で、男女別では女性が多い。また、40歳以上の購入者が増加傾向にあるのも特徴の一つだ。
■LINE TODAYから見る2018年の台湾社会
LINEが台湾で提供するモバイルニュースサービス「LINE TODAY」は、1,800万人のユーザーが登録している。今年話題となったニュースを見てみると、アクセス数が最も多かったのは11月下旬に行われた統一地方選挙に関するニュース。2位は「孫安佐事件」、3位は台湾鉄路管理局(台鉄)特急プユマ号の脱線事故と続いた。2位の「孫安佐事件」とは、米国の高校に在籍する台湾人留学生が銃を乱射すると脅迫したとして地元警察に逮捕された事件。この台湾人留学生が芸能人夫婦の一人息子であったことから注目された。
なお、今年の「LINE TODAY」でも話題となったが、先天性の心疾患のため今年10歳で亡くなった綺綺ちゃんが残したスタンプ集「綺綺的恐龍綺想世界(Chi-Chi's dinosaur wonderland)」に関するニュース。スタンプの販売によって得られた収入は、必要経費を除いて全額、中華民国児童心臓病基金会に寄付された。このスタンプはまた、9月から10月にかけてLINEスタンプMVPと新人賞(いずれも台湾)を獲得。それぞれ3万台湾元(約10万日本円)の賞金が贈られたが、これらも児童を対象にした複数の慈善団体に寄付された。この心温まるニュースの後押しもあり、「綺綺的恐龍綺想世界」は2018年、台湾のクリエーターズスタンプの売上げ第2位になっている。
※「綺綺的恐龍綺想世界」に関する日本語の記事はTAIWAN TODAY日本語版でも取り上げています。
TAIWAN TODAY日本語版 2018/9/28
「恐竜のように強く」、先天性心疾患の綺綺ちゃん最後のスタンプが発売
TAIWAN TODAY日本語版 2018/11/22
先天性心疾患の綺綺ちゃん最後のスタンプが人気に、医師が感動
また、「LINE TODAY」で取り上げられた「LINE関連のニュース」では、今年2月に発生した花蓮地震と、それによって広まったLINE Pay(ラインペイ)を利用した寄付が、第1四半期だけで総額8,400万台湾元(約3億日本円)に達し、これが1位となっている。(聯合報より)