2025/06/21

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霧峰小の旧天文科学館、台中市の歴史建築に指定

2019/01/14
台湾中部、台中市霧峰区の霧峰小学校はこのほど、旧天文科学館の建物が市の歴史的建築に指定された。(台中市政府提供、中央社)
台湾中部、台中市霧峰区の霧峰小学校はこのほど、旧天文科学館の建物が市の歴史的建築に指定された。今後、文化遺産としての調査や資料整理などを進めるため、文化部(省)に助成を申請する。
 
この小学校は日本統治時代に総督府が1898年10月に開設した「阿罩霧公学校」が前身。この公学校には同地区の名家、林家の5代目で挙人の林文欽氏が清朝末期に建てた私塾の建物が利用された。
 
同小の陳栄錦校長によれば、旧天文科学館は1961年8月に着工、建築家の修沢蘭氏が「形は機能から生まれる」を理念に設計。天井には星図を備え、機器操作を通じて星の位置関係が見られるようになっている。1999年9月21日の台湾中部大地震で被害を受け、修復されてからは校史館として利用されている。
 
同館は外から見ると半球体の建築がいわゆるUFO(未確認飛行物体)のようにも見え、8本の支柱と独特の格子窓がある。建物の状態は良好で、天井の星図は今でも使うことができるという。
 
同小は昨年、台中市文化資産処に歴史的建築としての登録を申請。審議委員会の審査を経て、ドーム式の建築や構造・外観のユニークさに芸術的、科学的な価値があると認められた。また卒業生など学校関係者の思い出の場として地域的な特色も備えているとして、昨年12月22日に歴史的建築登録が公告された。
 
台中市文化資産処の李智富処長によると、修氏の台中でのもう一つの作品「台中女子高等中学(高校)の塀と校門」は特徴的なV字型のフォルムと宮灯(吊り灯ろう)が有名。学校側は先ごろ予定していた取り壊しを中断し、文化資産委員が現地を視察した上で追跡リストに加え、学校側に文化資産としての報告をまとめて文化資産委員会の審査に提出するよう求めている。
 
台湾初の女性建築家と言われる修沢蘭氏は、代表作に陽明山の中山楼(台湾北部・台北市)、新店花園新城(北部・新北市)があるほか、台湾全土の教師会館や学校の多くを手掛けた。2016年に91歳で死去。

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