2025/07/16

Taiwan Today

文化・社会

中華文化総会が「国民生活須知画冊」をLINEスタンプに

2019/01/28
1968年から発行された「国民生活須知画冊」を中華文化総会がLINEスタンプやネットゲームに生まれ変わらせた。パロディも加え、真面目ぶったイラストたちに新たな命を。(中華文化総会提供、中央社)
「五、六年生」(民国50年代と60年代、すなわち1961年から1980年までに生まれた人たち)にとって代表的な思い出の一つ、オレンジ色の表紙の「国民生活須知画冊(国民の生活の手引き)」が帰って来た。政府が出資し、蔡英文総統が会長を務める社団法人の中華文化総会(THE GENERAL ASSOCIATION OF CHINESE CULTURE)がこのほど、「那一年、我們的生活與倫理(あの頃の私たちの生活と倫理)」と銘打ったLINEスタンプ(コミュニケーションアプリの「LINE」で使用される絵文字)、並びにインタラクティブなゲームを発表したのである。
 
「国民生活須知画冊」は、民国57年(1968年)に中華文化復興運動推行委員会(中華文化総会の前身)が、「積極的に新たな生活運動を推進し、国民の生活を固有の文化と『四維八徳』の薫陶の下で現代化と合理化へと向かわせると共に、内外の人々に我々が『礼儀の国』であることを示す」ことを推進目標として編集・作成したもの。「四維八徳」とは華人の伝統的な美徳とされるもので、「礼、義、廉、耻」の「四維」と「忠、孝、仁、愛、信、義、和、平」の「八徳」のこと。今見るとユーモラスな真面目ぶったイラストで、衣・食・住・行・育・楽などの礼儀やルールを伝えている。「行」は交通、「育」は教育や子育て、「楽」は娯楽や楽しみを指す。
 
半世紀が経ち、「国民生活須知画冊」で紹介される一部の礼儀作法は時代にそぐわなくなっている。しかし、同画冊が時代の流れに呑み込まれて消えていくのは避けたいと考えた中華文化総会は伝達ツールの変化と進化に合わせ、「国民生活須知画冊」のキャラクターを若返らせ、デジタル化し、LINEスタンプとゲームに変身させた。昔の雰囲気を復刻する一方で、台湾の「KUSO文化」(パロディー)や時事と結びついた対話によって固定観念を覆すものになっている。
 
「那一年、我們的生活與倫理」ではまず、「新年編」のスタンプが登場。24枚の異なるキャラクターや場面で、「豬事大吉」(全てのことが好運でありますように。台湾における今年の干支であるブタ=「豬」の字で、同じ発音の「諸」を表す)、「祝你賺大銭」(たくさんのお金を手に出来ますように)などの基本的なあいさつの言葉や、旧正月の連休にぴったりな「已経吃三天了」(もう三日間、同じ旧正月の料理を食べている)、「收假了想哭!」(連休が終わって泣きたい)。さらには旧正月に年長者が決まってたずねる「何時要結婚?」(いつ結婚するの?)、「女友呢?」(ガールフレンドはいないの?)、「年終有多少?」(旧正月前のボーナスはいくらだったの?)も。
 
インターネットを使ったインタラクティブなゲームはレトロな雰囲気の「国語作業簿(国語宿題帳)」がトップ画面となっており、文語文での言い方と流行のネット用語を選ばせることでプレイヤーがどんな人なのかを判定。最後にはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)によるシェアや交流も出来るようになっており、旧時代の産物に新たな面白みをもたらしている。
 
 

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