2025/07/01

Taiwan Today

文化・社会

作家の呉明益さんを研究した書籍が仏で出版、生態系と人類の関係探る

2019/02/25
台湾の作家、呉明益さん(左)の作品を研究した書籍(右)がフランスで出版された。生態系と人との関係を探る。呉さんはまた、ナント市で開かれる国際的な文学フェスティバルにも参加する。(文化部サイトより)
フランス西部の都市、ナントでは28日から3月3日まで、「亜特蘭提斯国際文学節」(Festival Atlantide=アトランティス文学フェスティバル)が開催される。同フェスティバルは2013年にスタート。毎年各国の作家十数名を招いては、文学の立場から現代社会の様々な問題に対する見方を語り合ってもらっている。同イベントの総責任者はコンゴ生まれのフランス人作家、アラン・マバンク(Alain Mabanckou)さん。マバンクさんは今年のフェスティバルに中華民国(台湾)の著名な作家である呉明益(Wu Ming-Yi)さんを招いており、呉さんは3月2日に行われるファンとの対面会に出席する他、ロシア人作家のMikhail Tarkovski氏、スペイン人作家のMiquel de Palol氏との座談会にも参加する。
 
フランスの出版社、L'Asiatheque 社は先ごろ、漢学者のGwennael Gaffric氏が呉明益さんの作品を研究した『La Litterature a l'ere de L'Anthropocene(人類世代的文学)』を出版した。これは呉明益さんによる生態系に関する記述を中心に、中華民国(台湾)及びその他の国々における現代文学の作家の作品を引用し、様々な主張を交えてエコシステムの観察から都市開発計画に対する批判まで、また、人間中心主義及び種差別のイデオロギーからSF小説の場面のような生態系破壊までを論じるもの。台湾文学の論述から人と生物が平和に共存できる可能性を探ろうとしている。現代の台湾文学を研究したものとして非常に珍しいフランス語の著作である他、呉明益さんの作品を研究したものでもあり、その出版には中華民国文化部(日本の省レベル)が補助金を提供している。
 
 

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