2025/05/03

Taiwan Today

文化・社会

台湾の女性登山家、詹喬愉さんがエベレスト登頂に成功

2019/05/28
台湾の女性登山家、詹喬愉さん(写真)がネパール時間の27日午前3時すぎ、エベレスト登頂に成功。2週間前にはマカルーも攻略しており、2週間で8,000メートル級の高山を2つ征服したことに。(詹喬愉さんのフェイスブックより)
「三條魚(三匹の魚)」というニックネームの女性登山家、詹喬愉さんがネパール時間の27日午前3時16分、世界最高峰エベレストの登頂に成功し、無事第2キャンプまで下山した。今年はエベレスト登頂に挑む世界各地の登山家が後を絶たず、ネパール政府が今春の登山期間に過去最高となる381人に登山許可証を発行したため、頂上付近では「大渋滞」が発生。詹さんも一度は標高6,400メートルのキャンプに戻って待機、天候次第では登頂断念も考えていたという。また、詹さんは2週間前に世界で5番目に高いマカルー(標高8,463メートル)に登頂しており、2週間のうちに8,000メートル級の高山を2つ征服したことになる。
 
詹喬愉さんの身長はわずか154センチ、体重は50キロに満たない。小さく可愛らしいこの女性の最も好きなことが険しい山への登山だとは想像しにくいが、詹さんにとって登山は楽しみであるばかりでなく、自分への挑戦なのだという。近年の台湾では最も有名な登山家である詹さんはテコンドーの黒帯を持つほか、山で遭難した人たちを捜索救助するボランティアチームの隊長でもある。また、登山ガイドやロッククライミングのインストラクター、さらには女優も務めるなど様々な顔を持っている。
 
昨年、詹喬愉さんは世界で4番目に高いローツェ(標高8,516メートル)に登頂、無事帰還を果たした台湾初の登山家となった。登山の過程では遭難して命を落とした人たちの遺体を目にすることもしばしば。特に女性は恐怖を感じるのではないかという質問に対し、詹さんは「自分は登山を挑戦だとみなしている。登山は自分に『人生では小事にこだわるな。やりたいなら何でも試してみろ』と教えてくれた」と答えている。
 
詹喬愉さんは台湾の登山界で数々の記録を残しているが、その原動力は記録を創ることではないと強調する。詹さんは、登山ではずっと前を向いて歩き、登頂してはじめて後ろを振り返ることが出来ると指摘、「その瞬間、全ての疲労と痛みはそれだけの価値があったと感じられる」と自身にとっての原動力を説明している。
 
過去台湾で最も有名だった女性登山家は江秀真さん。1995年と2009年の二度、エベレストに登頂。エベレストの南壁と北壁からの攻略に成功し、さらに世界七大陸最高峰を全て征服した世界初の女性登山家である。
 
 

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