2025/04/25

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伝統芸術音楽金曲奨のノミネート作品発表、特別奨は王安祈・葉垂青の両氏に

2019/06/21
第30回「伝統及芸術音楽金曲奨」のノミネート作品と特別奨が発表され、戯曲学者の王安祈さん(右)とレコーディング・エンジニアの葉垂青さん(左)がそれぞれ戯曲部門と出版部門の特別奨を受賞したことが明らかになった。(伝統及芸術音楽金曲賞フェイスブックより)
第30回「伝統及芸術音楽金曲奨(賞)」のノミネート作品と特別奨が20日に発表され、戯曲学者の王安祈さんとベテランのレコーディング・エンジニア、葉垂青さんがそれぞれ戯曲部門と出版部門の特別賞を受賞したことが分かった。「伝統及芸術音楽金曲奨」は台湾最大の音楽賞「金曲奨」(Golden Melody Awards)のうち、伝統音楽と芸術音楽を対象としたもので、国立伝統芸術センターが主催している。
 
今年は出版部門で71、戯曲公演部門で31の合計102団体(社)が応募。応募作品は昨年を184件上回る1,078件に達した。
 
国立伝統芸術センターの陳済民主任は、「伝統及芸術音楽金曲奨」は台湾における伝統芸術界とクラシック音楽界にとっての一大行事だとした上で、今年はより多くの「舞台裏の創作者」たちを激励するため戯曲公演部門に「最優秀脚本奨」と「最優秀音楽デザイン奨」を新設、合わせて58件の応募作品があったと説明した。「奨取りレース」が最も熾烈なのは出版部門の「最優秀演奏奨」だとのことで、わずか5つのノミネート枠に対して応募作品は194件に達した。
 
特別奨の受賞が決まった葉垂青さんは1970年代からこれまでの台湾音楽界において最も重要で実績のあるレコーディング・エンジニアの1人。1977年から1990年代末までに2万枚あまりのアルバムの録音に携わった。1980年代末には他に先駆けてマスターテープをCD用にデジタル変換するPCM技術を取得、この技術を台湾のレコード産業界に提供してCD生産工場の誕生を助けた。台湾における戦後の「声・音声」の記録に30年あまりにわたって大きな貢献を果たしてきたことになる。
 
一方、王安祈さんは学者、教師、演劇評論家、劇作家などマルチな顔を持つ。王さんの著作は多く、講義は魅力的、演劇評論は深く、脚本は生き生きとしている。伝統的な戯曲芸術の真髄を深く把握した上で、古典的な情感と現代的な思想を融合する能力があり、王さんは台湾における戯曲の「現代化」の中で重要な役割を果たしてきた。物語の奥底から隠された人間性をくみ取って京劇や崑劇の将来性を開発、「台湾における現代の京劇・崑劇の新美学」を築き上げるなど、台湾における戯曲や演劇の世界に大きな影響を与えている。
 
第30回「伝統及芸術音楽金曲奨」の授賞式典は8月10日に行われる。
 

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