2025/07/06

Taiwan Today

文化・社会

台日協力・3万年前の航海実験、丸木舟で台東から与那国に到着

2019/07/09
台湾と日本が共同で2017年から行っている航海実験で、7日正午に台湾南東部の台東を出発した手漕ぎの丸木舟が、9日午前に日本の与那国島(沖縄県)に到着した。(中央社)
台湾と日本が共同で2017年から行っている航海実験で、7日正午に台湾南東部の台東を出発した手漕ぎの丸木舟が、9日午前11時過ぎ(現地時間)に日本の与那国島(沖縄県)に到着した。これは、旧石器時代の人類が黒潮を越える能力を持っていたことを間接的に証明するもの。
 
この「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」は国立台湾史前文化博物館と国家海洋研究院、日本の国立科学博物館が共同で手がけているもので、3万年前の航海を再現する実験計画。2017年からのプロジェクトだが、今年4月24日に開設したばかりの国家海洋研究院も5月から参加している。
 
プロジェクトでは人類が日本へ渡来したルートを証明するべく、台湾から黒潮が流れる海を渡り沖縄列島までの可能な航路を探っている。過去2年の実験では竹のいかだでは再現が難しいことがわかり、今回丸木舟で航海が行われることになった。
 
丸木舟は7日正午、台東長浜郷の烏石鼻港を出発。5人の漕ぎ手が交代せずに全航路を漕ぐ計画で、漕ぎ手に選ばれたのは日本の原康司さん、鈴木克章さん、村松稔さん、田中道子さんと、台湾の宋元愷さん。
 
丸木舟は2017年から2019年にかけ伐採された能登産のヒマラヤスギで、旧石器を模した工具で制作された。日本の考古学者、山田昌久さん監修のもと、工芸家の雨宮国広さんが実際の制作にあたった。船は全長7.6メートル、幅0.7メートル、高さ0.6メートルの5人乗りで重さは350キログラム。
 
台東の烏石鼻港から与那国島までの直線距離は205キロメートル(111マイル)で、コンパスや時計、GPSなど現代的な機器設備は一切使わず、星や太陽の位置と風向きなど自然の条件を頼りに方向を定めた。平均速度を2.5〜3.5ノットとすれば、ルートを大きく外れることがなければ1.6〜2.8日で渡ることが予想されていた。船の前後にカメラを装着、船尾は360度カメラで全航程記録している。

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