欧州三大国際映画祭の一つであるイタリアのベネチア国際映画祭は25日、各部門のノミネート作品等を発表した。
ベネチア国際映画祭のバーチャル・リアリティー(VR)コンペティションは、独ベルリン国際映画祭、仏カンヌ国際映画祭と並ぶ欧州三大国際映画祭の中でも最大規模で、且つさまざまなジャンルのVR映画の発展を積極的に支援していることで知られる。
台北金馬影展執行委員会は2018年、VR事業に力を入れる台湾の宏達電子公司(HTC)と協力し、中華圏で活躍する新進気鋭の映画監督5名を集め、VR短編映画シリーズ「5×1」を撮影した。
今年のベネチア国際映画祭VRコンペティションでは、「リニア(Linear)」部門で「5×1」シリーズのうち『山行(Only the mountain remains)』と『O』の2作品がノミネートされた。
また、「5×1」シリーズの一つで、趙徳胤(Midi Z)監督の作品『幕後("THE MAKING OF)』が、今年のベネチア国際映画祭のVR非コンペティション部門で「ベスト・オブ・VR」に入選した。これは趙徳胤監督の新作映画『灼人秘密(Nina Wu)』のメイキング映像を収録したVR作品。
なお、VRコンペティション「リニア(Linear)」部門にはこのほか、HTCがフランスのVR映画製作会社とコラボして作ったVRアニメーション『Gloomy Eyes』もノミネートされた。
さらにはVRコンペティション「インタラクティブ(Interactive)」部門では、台湾から黄心健さんの作品『失見記』や、新進気鋭の日本人アーティスト・小松美羽さんと台湾の作曲家である黄韻玲さん、それにHTCが協力して制作したインタラクティブ作品『祈祷(Inori)』がノミネートされた。
ベネチア国際映画祭は8月28日から9月7日まで開催される。今年はVRのコンペティション、非コンペティションの両部門で39作品が上映される。台湾の作品、あるいは台湾が制作に関わった作品が全部で6作品を占める快挙となった。