中等教育課程にある生徒を対象とした国際科学オリンピックの一つ、国際言語学オリンピック(IOL, International Linguistics Olympiad)が7月29日から8月2日まで、韓国の京畿道(キョンギド)龍仁市にある韓国外国語大学校グローバルキャンパスで行われた。今年は37カ国から総勢215人の中学生・高校生が55のチームを組んで参加し、過去最大規模となった。
中華民国(台湾)からは8人、2チームが出場。国立台湾大学(台湾北部・台北市)語言学(言語学)研究所の謝舒凱所長と、国立中正大学(同中南部・嘉義県)語言学研究所の何徳華教授が共同で両チームを率いた。
その結果、国立科学工業園区実験高級中学(通称「竹科実中」。台湾北部・新竹市)の王治鈞さんと李宇軒さんが銅メダルを二つ獲得。また、台北市立建国高級中学(台北市)の林祐寛さん、桃園市立武陵高級中等学校(同北部・桃園市)の陳柏文さん、「竹科実中」の彭凱揚さん、嘉義市天主教輔仁中学(同中南部・嘉義市)の陳君瑋さんがそれぞれ個人部門の「佳作」を獲得した。ここでの「高級中学」、「高級中等学校」、「中学」 はいずれも日本の高等学校に相当する。
林祐寛さんは、投票で最も困難な問題に選ばれた第3問で最優秀解答賞を受賞。台湾の学生が初めて3年連続で同賞を手にする好記録となった。
国際言語学オリンピックで出される問題は言語、文化、論理と推理の要素が組み合わさっている。未知の言語が持つメッセージのパターン分析や文化的想像力、それらのとりまとめと論理の組み立て、推理といった様々な能力を試すものとなっており、こうした問題は分野を超えた理解や未来の人材育成に重要に関わってくる。このため最近では多くの国がこの種のイベントを重視しはじめ、ほかの基礎科学とともに人材育成の重点ととらえるようになっているということ。