2025/07/16

Taiwan Today

文化・社会

国家地震工程研究中心、耐震模型コンペ「IDEERS」開催

2019/09/24
国家地震工程研究中心(NCREE)は20日と21日の両日、免震・耐震構造の模型製作の腕を競う「2019抗震盃-地震工程模型製作国際競賽(IDEERS)」を開催した。世界各地から集まった100を超えるチームが、高校生部門、大学生部門、大学院生部門にエントリーした。写真は「耐震奨(=賞)」など3つの賞を受賞した国立聯合大学建築系の学生の作品。(国立聯合大学提供、中央社)
今年は1999年9月21日に発生した台湾大地震から20年を迎える。国家地震工程研究中心(Taiwan National Center for Research on Earthquake Engineering:略称NCREE)は20日と21日の両日、免震・耐震構造の模型製作の腕を競う「2019抗震盃-地震工程模型製作国際競賽(IDEERS)」を開催した。台湾のほか、シンガポール、マカオ、マレーシア、ベトナム、フィリピン、インドネシア、オーストラリア、韓国など世界各地から集まった100を超えるチームが、高校生部門、大学生部門、大学院生部門にエントリーした。
 
そのうち国立聯合大学(台湾北西部・苗栗県)建築系(=学科)の教員である梁漢渓氏が指導する3年生の学生、方兆玄さん、陳建安さん、呉瑞玲さん、張家沢さんは「未来都市:空中ターミナル」という発想で出品し、大学生部門で「耐震奨(=賞)」、「結構設計奨(=構造設計賞)」、それにコストパフォーマンス評価で4~10位の作品に与えられる「佳作」を受賞した。
 
コンペは2日間かけて行なわれた。初日はわずか5.5時間という制限時間内に、主催機関が提供する資材と工具を使い、美観と耐震機能を兼ね備えた耐震模型をその場で設計するという課題が与えられた。2日目はコンペのメインとなる耐震テストが行われた。
 
耐震テストでは、参加者が作った模型が同時に振動実験装置の上に乗せられた。震度を徐々に大きくし、その耐震能力を測定するのだが、模型の上には鉄の塊も置かれ、耐荷重試験にも通過しなければならなかった。模型が倒れたり、荷重を受けた台が安定していない、あるいは崩れたり、または鉄の塊が激しく揺れて落下するなどした場合は試験不合格とされるため、次のテストが始まるまでに速やかに作品を撤去しなければならなかった。
 
方兆玄さんは、「結構設計奨」を受賞出来たことには驚いたと話す。なぜならこの賞は、構造設計の理念が独創的なチームに贈られるものだと思っていたからだ。一方、陳建安さん、呉瑞玲さん、張家沢さんの3人は異口同音に「耐震奨」の受賞が最も嬉しかったと話す。彼らが作った模型が合格した耐震試験は、中央気象局(=日本の気象庁に相当)が発表する「震度7級」の地震に相当するものであり、これは彼らの作品が十分な耐震構造を持つことを示しているからだ。また、コストパフォーマンスについても「佳作」の評価を得たことは、コンペ前に全員が積極的に話し合ってきたことが無駄ではなく、正しかったことを証明するものだと評価している。
 

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