ノルウェーのオスロ大学文化研究・東洋言語学科は10月21日、中華民国教育部(日本の文部科学省に類似)の協力を得て華語文能力測験(TOCFL)を実施した。華語文能力測験は、中国語を母語としない人を対象にした教育部主催の中国語検定試験。初回は合計19名が「入門・基礎級」と「進階・高階級」 を受験した。北欧ではスウェーデンの首都ストックホルムで華語文能力測験を毎年実施しているが、ノルウェーでの実施はこれが初めて。
華語文能力測験は、台湾で使用されている正体字中国語の試験問題のほか、中国大陸で使用されている簡体字中国語の試験問題も用意している。今回のノルウェーでの受験者のうち、一部は正体字版を選択。政府機関で働くEivindさんもそのうちの一人だった。
Eivindさんは流暢な中国語を話し、台湾文化を熱愛する受験者で、正体字こそ中華伝統の文化の美を体現していると考える。今回は、ノルウェーで初めて華語文能力測験が実施されるということで、これを支持する立場を示すと同時に、自分の中国語のレベルを把握するため、受験に挑戦したという。
オスロ大学文化研究・東洋言語学科は今年に入って、台湾とさまざまな協力プロジェクトを展開している。今年初めには国立台湾大学と契約を締結。将来学生を国立台湾大学に派遣し、中国語を学ばせることを決めた。今年8月以降は教育部と協力し、台湾からやってきた中国語の教学アシスタントを受け入れている。台湾の師範大学の修士課程に通う游佳瑀さんは、北欧諸国の大学で現在唯一の、台湾からやってきた中国語の教学アシスタントだ。
オスロ大学文化研究・東洋言語学科のRune Svarverud教授は、「台湾からやってきた講師がオスロ大学に溶け込めるか心配していたが、幸い学生たちの反応も非常に良い。台湾で育成された中国語講師は資質が高く、優秀だ。学生たちのスピーキング能力や試験の成績も向上していることから、来学期も継続して台湾から教学アシスタントを受け入れたい」と意気込みを見せている。