国立屏東大学(台湾南部・屏東県)理学部とロシア科学アカデミーのKirensky物理学研究所(Kirensky Institute of Physics)による「機能性材料合同実験室」が同大学内に開設され、21日には国立屏東大学の古源光校長とKirensky物理学研究所のSergei Ovchinnikov副所長がプレートの除幕式を行った。
古源光校長によると、現在では同大学理学部の学部長を務める林春栄氏が2010年より科技部(日本の省レベル)の台湾・ロシア合作プロジェクトを執行してきた。そして2016年には古校長自ら代表団を率いてロシアを訪れ、Kirensky物理学研究所と協力協定を締結。その後、科技部による台湾とロシア間の国際協力プロジェクト、並びに国立屏東大学の研究発展処のサポートの下、双方はすでに10件あまりの協力成果を学校刊行物で発表しているほか、教師や学生間の交流も盛んになっている。
また、国立屏東大学応用物理学科は科技部によるサポートを受ける中でロシア、チェコ、ポーランド、フランスとそれぞれ国際合作プロジェクトや合同研究を進めている。応用物理学科で光エレクトロニクスと材料について学ぶ研究科の学生、黄靖雅さんが教育部(日本の文科省に類似)の補助を得て、来年2月にシベリアのKirensky物理学研究所に加わって1学期交流するほか、同じく研究科の林俊孝さんもフランスのロレーヌ大学から優秀な大学院生を対象とした奨学金を得て、フランスで半年間学ぶことになっている。2人の研究テーマは共に、磁性薄膜材料の特性分析に関するものだという。
ロシア科学アカデミーのKirensky物理学研究所は1956年に設立された国際的で多分野に跨る研究機関。特に物理材料工学の領域ではロシアの主要な学術機関で、冷戦時代には宇宙計画やレーザー材料を研究する学者が大勢在籍していたという。