交通部（日本の国土交通省に類似）公路総局はこのほど、台湾の「十大景観公路（景色の美しい道路ベストテン）」人気投票イベントを実施した。11月6日から実施していたもので、締切りとなった12月1日午後11時59分の時点で、「台61線」の111㎞から121㎞地点（台湾北西部・苗栗県通霄区間）が3万4,839票を獲得し、栄えある１位に選ばれた。「台61線」は台湾北部・新北市八里区から台湾南部・台南市南区を結ぶ道路で、通称は「西浜快速道路」。
キャンペーンの特設サイトにアップロードされた「台61線通霄区間」の写真には「通霄・霞落山海道夕恋白沙屯」のタイトルが添えられた。これは「台61線」と「台１線」を結ぶ「新埔連絡道」から、いまにも海に沈もうとする落日を撮影したもの。美しい日の出で有名な台湾南東部・台東県の太麻里と対比して、「西部の太麻里」と称えられた。もう１枚の写真は「台61線白沙屯区間」で撮影したもの。道路が大きくカーブを描き、目の前に広がる台湾海峡が見えることから、「台湾で最も美しいカーブを描く道路」と呼ばれている。
これらの写真を提供した張文煥さんは通霄在住のカメラマンで、自分が撮影した写真をたびたびインターネットで公開している。今回の人気投票の結果が出たあと、張さんは自身のフェイスブックに、通霄の住民や投票に参加してくれた人々への感謝を綴り、これをきっかけにより多くの人に通霄の美しさを知ってもらいたいと期待を寄せた。
「台61線」と「台１線」を結ぶ「新埔連絡道」は昨年6月に開通した。地形の関係上、「連絡道」の両端に高度差があり、且つ目の前に大きく開けた海と空を見ることができる。このため、日中は海の様子を、夕方になると夕陽が沈む様子を撮影するため、多くのカメラマンが押し掛けるようになっている。また、海や夕陽の写真を撮る人々の法規違反が目立ち、警察を悩ませている。そこで警察当局はこのほど、進入禁止エリア監視装置を設置。車両や通行人の禁止エリアへの進入を即時監視し、取り締まっている。