2025/05/14

Taiwan Today

文化・社会

詩人・李魁賢氏の回顧録、台湾の詩を世界に広めた過程をシェア

2019/12/24
詩人の李魁賢さんが回顧録『我的新世紀詩路-李魁賢回憶録』を発表(写真)。李さん(右)が2000年以降、詩に関する国際的な交流活動に参与し、台湾の詩人と詩を海外へと向かわせた過程が紹介されている。(中央社)
第20回国家文芸奨(賞)を受賞した詩人の李魁賢さんが回顧録を発表した。この回顧録『我的新世紀詩路-李魁賢回憶録』は、2000年以降、李魁賢さんが詩に関する国際的な交流活動に参与し、台湾の詩人と詩を海外へと向かわせ、国際社会における台湾の可視性を高めていった過程とそのエピソードなどをまとめたもの。また、李魁賢さんはこの回顧録から詩の作品を抜き出し、『我的新世紀詩選』としてまとめている。
 
現在83歳の李魁賢さんは1953年に詩の処女作を発表して以来65年以上が経った。李さんの創作活動の出発点は台湾北部・新北市の淡水で、近年はふるさとへの恩返しだとしてポエム・フェスティバル「淡水福爾摩莎国際詩歌節」(Formosa International Poetry Festival in Tamsui)の企画を行っている。
 
21世紀になってから李さんは自ら計画を立て、代表団を組織して世界のポエム・フェスティバルに参加。そして近年は台湾でも同様の催しを開き、多くの国から世界的な詩人を台湾でのイベントに招いている。
 
台湾で創られた詩と台湾の詩人を世界に紹介することにも熱心で、詩人らを率いて詩に関する国際的な交流活動に積極的に参加、その足跡はエルサルバドル、インド、モンゴル、ニカラグア、キューバ、チリ、マケドニア、チュニジア、ギリシャ、ルーマニア、バングラデシュ、インド、ミャンマー、ベトナムなどに及ぶ。
 
李さんはまた、台湾の読者たちが海外の作品を国境を越えて目にできるようにした。自ら企画と翻訳を行った『名流詩叢』シリーズなどがそれで、各国の詩人たちの作品を中国語に翻訳。同シリーズはすでに30巻以上出版されている。
 
詩の創作と翻訳に携わって半世紀以上、李さんが生み出した詩は1,000編以上。翻訳したものはさらに5,000編に達する。国家文芸奨(賞)や呉濁流新詩奨(賞)など台湾で重要な賞を受けているほか、海外の詩人たちからも高い評価を得ている。イギリス・ケンブリッジの「国際詩人学会」からは「傑出詩人賞」が贈られ、2000年にはインドの「国際詩人学会千禧年詩人奨(賞)」も獲得するなど無数の賞を受けており、生涯を通じて極めて多くの創作活動を行ってきた。インドの「国際詩人協会」はノーベル文学賞の候補者として李魁賢さんを3度にわたってノミネート対象に推薦したことがあるという。
 
 

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