文化部(日本の文部科学省に類似)、台北書展基金会が主催する2020年「第28回台北国際ブックフェア」は、2020年2月4日から9日まで開催される。
24日に開かれた記者会見で、2020年の台北国際ブックフェアは、韓国をテーマ国としているほか、新しい書店スタイルを提案している韓国の「独立系(個人経営)書店」の経営者を台湾に招き、「独立系書店フォーラム」に参加することが発表された。
テーマ国パビリオンは、大韓出版文化協会(KPA)と韓国文学翻訳院(KLTI)が共同でキュレーターを務める。「K-Style」をメインテーマとして、図書出版、出版社、音楽、ファッションなど様々な分野を通して、台湾の読者に韓国の出版業界の最新トレンドや文化的表現を紹介する。
テーマ国韓国パビリオンのホストを務める韓国作家会議副理事の朱然鮮(チュ・ヨンソン)氏は、「テーマ国パビリオンで紹介する韓国の書籍展示は、主に最近2年間の韓国社会が関心を寄せる重要なテーマ。韓国の書籍市場で注目を集めた選りすぐりの作品50冊だ」と強調した。また書籍の種類について朱然鮮氏は、「童話絵本、教育漫画、デジタル漫画のほか韓国で出版された台湾の作品など」と説明した。韓国の多分野に渡って出版を手がける出版社やマネージメント企業29社が出展を予定している。
朱然鮮氏は、韓国書籍が二番目に多く出版されているのが台湾で、台湾と韓国では社会環境に相似点が多いと指摘している。
韓国で2016年に発売され、大きな話題を呼んだフェミニズム小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の作者、チョ・ナムジュさん(趙南柱)は、同作品が映画化されたことで、世界から更に関心を集め、台北国際ブックフェアに招待されることが決まっている。チョ・ナムジュさんは、放送作家として10数年に渡り教養プログラムを担当した経歴を持ち、社会現象や社会問題に対する感性は鋭いものがある。そのようなチョ・ナムジュさんが得意とするのが写実的で人々の共感を呼ぶことのできるストーリーテリングで、市民の日常生活にある本当の悲劇を描写している。
その他、韓国で今年、最も注目を集めた作家、チェ・ウニョンさん(崔恩栄)さんも台北国際ブックフェアに参加する予定だ。2013年に「作家世界」で新人賞を受賞してデビューしたチェ・ウニョンさんは、女性同士の関係や感情に着目し、他人の苦しみに耳を傾けることにたけている。淡々としているものの、細やかな描写から、読者が救いを得ることができると支持されている。
その他、多くの韓国人作家は、作品の映画・ドラマ化により、台湾で知られるようになった。弱者の窮状を訴える小説家 、蘇在沅さんは長年、韓国における性犯罪をテーマにした作品を発表している。その第一作目の小説「我曽是皮条客(中国語タイトル、나는 텐프로였다、私はテンプロだったという意味。テンプロは韓国語で高級店に勤めるホスト・ホステスを指す。)」を原作として映画化された「ビースティ・ボーイズ(비스티 보이즈 、Beastie Boys)」は2008年に上映され、大ヒットした。
台北書展基金会の王秀銀執行長によると、ブックフェア期間中に専門的な版権マッチング会議も開催される。国際出版フォーラムでは、韓国出版業界の専門家を招いて、最新の出版トレンド、ソーシャルリーディングの楽しみ方、産業チェーンが直面する課題と対応ソリューションを共有する計画だ。
なお、2020年の台北国際ブックフェアのイメージキャラクターとなったのは、台湾の女優で自身が撮影したフォトブックを出版したこともあるアリソン・リン(林予晞、Allison Lin)さん。