2025/07/08

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文化・社会

国立故宮博物院が所蔵する名画『清明上河図』、初めて南院で展示へ

2020/01/14
国立故宮博物院はこのほど、台湾北部・台北市士林区にある北部院区(以下、北院)と台湾中南部・嘉義県太保区にある南部院区(以下、南院)における2020年の展示スケジュールを発表した。写真は国立故宮博物院が収蔵する清院本『清明上河図』の一部。1月22日から4月26日まで初めて南院で展示される。(国立故宮博物院提供、中央社)
国立故宮博物院はこのほど、台湾北部・台北市士林区にある北部院区(以下、北院)と台湾中南部・嘉義県太保区にある南部院区(以下、南院)における2020年の展示スケジュールを発表した。内容は人気の国宝、書画名作、明朝・清朝時代の宮廷蔵書、清朝時代に最盛期を迎えた琺瑯彩(ほうろうさい)をテーマとしたものから、モンゴル・チベットの四大転生活仏やバチカン図書館の収蔵品を中心とした宗教特別展まで、さまざまな時代、洋の東西にまたがる展示が目白押しだ。
 
南院では1月22日から4月26日まで、「清明上河図(せいめいじょうがず)特別展」が開催される。宋の首都・開封の汴河両岸を舞台に清明節のにぎやかな様子を描いた名画「清明上河図」が南院で展示されるのは初めてのこと。国立故宮博物院が所蔵するいくつかのバージョンのうち、今回は清院本『清明上河図』、宋代・張択端の『清明易簡図』、明代・仇英の『清明上河図』を展示する。このほか、絵の中の人物などが動くアニメーション仕立ての『古画動漫-清明上河図』、絵の世界をよりインタラクティブに楽しめる『書画互動桌-清明上河図』、作品の世界を紹介するドキュメンタリー番組『話・画-清明上河図』などのマルチメディア作品も併せて展示する。さまざまな体感を通して、参観者が賑やかな開封の情景に思いを馳せられるようにする。
 
南院では1月22日から9月27日、「人気の国宝展」も開催する。春秋戦国時代中期の「嵌緑松石金属絲犠尊」、後漢の「玉辟邪」、北宋の「定窯白瓷嬰児枕」、宋・元の「玉鴨」、清の「翠玉白菜」など、名の知られた人気の高い国宝の数々を展示する。
 
北院では「国宝聚焦」と名付けた陳列室を設置し、3か月ごとの入れ替わりで、毎回2組の国宝級書画を展示する。第一弾として1月23日から4月23日まで、宋代・蔡襄の『書尺牘(陶生帖)』と燕文貴の『奇峰万木』を展示。芸術性を極めた水墨画に触れ、宋代の美学が持つ優雅で趣のある世界をじっくりと堪能することができる。
 
今年は器物の中でも、特に皇帝が好んで収集した琺瑯彩(ほうろうさい)や青銅器に焦点を当てた特別展を行う。北院では「士拿乎-鼻煙壷特別展」を開催し、故宮博物院が収蔵する優れた鼻煙壷(びえんこ)の数々を展示。鼻煙壷が持つ高い工芸技術を見ることができる。続いて「康熙帝の琺瑯彩特別展」、「乾隆帝の琺瑯彩特別展」、「清の宮廷の青銅器コレクション特別展」などを開催する。
 
北院と南院で巡回展示するのが「モンゴル・チベットの四大転生活仏特別展」だ。国立故宮博物院が所蔵する四大転生仏に関する文物に加え、モンゴルのボグドハーン宮殿博物館、台湾の文化部蒙蔵文化中心(=モンゴル・チベット文化センター)から収蔵品を借り受け、モンゴル・チベット地域の四大転生活仏がたどってきた歴史の全体像を示す。
 
故宮博物院の収蔵品の中には、女性を対象としたもの、あるいは女性が創作した作品も非常に多い。10月には「她—女性形象與才芸(=彼女-女性のイメージと芸能)」と題する特別展を開催し、マクロな視点から明代・唐寅の『班姫団扇図』、仇英の『漢宮春暁図』やその他の国宝級、あるいは重要文化財級の優れた書画などを展示し、歴史の中における女性のさまざまな様子や、男性に引けを取らない女性たちの才能に焦点を当てる。
 

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