今年のブックフェアの目玉の一つとなっているのは、国立台湾美術館(台湾中部・台中市)が企画した「国美館―芸時代漫漫読(TAIWAN ART HISTORY IN THE COMICS)」だ。台湾漫画やハイテク技術を駆使した展示で、台湾の芸術史を紹介する。また、 文化コンテンツの産業化、国際化を促進する独立行政法人「文化内容策進院」による「幻境漫遊デジタル体験展」では、台湾オリジナルの漫画やキャラクターをインタラクティブ映像、拡張現実(AR)やスタートアップによる最新ディスプレイ技術を用いて展示する。
そのほか、第1展示ホール2階では、文化部が管轄する7つの博物館が共同で計画した「走~読博物館(LET’S GO! Explore Museums)」を行う。出版物と読書を博物館とブックフェアのリンクに例え、4月の世界読書デーに向けた催事を展開する。2階ではさらに「ブックフェア大賞館」も設けられている。ここでは、文化部が主催する金鼎奨(Golden Tripod Awards) 、金漫奨(ゴールデン・コミック賞)、金蝶奨、台北国際ブックフェア大賞などを受賞した優れた書籍、文化部の審査に合格して補助を受けて創作された出版作品や試し読み書籍が展示される。
メインテーマ国となっている韓国のパビリオンでは、「K-Style」をメインテーマとして、韓国出版業界の最新トレンドや文化的表現を紹介する。また、2020年は、イタリア出身の偉大な映画監督、フェデリコ・フェリーニ(故人)の生誕100周年にあたることに関連して、イタリア経済貿易文化推廣弁事処が同ブックフェアで「フェリーニの美味人生イラスト展」を開催する。
台北国際ブックフェアは、社会的な出来事に対応し、様々な特別展示を考案している。例えば、昨年末に亡くなった児童文学作家の林良さんに関しては、児童文学に捧げた林良さんの生涯に敬意を示した「再見!永遠の小太陽、林良特別展示」を行う。「小太陽」は林良さんの代表的な作品で、児童文学に暖かな光を照らし続けた林良さん記念展示となっている。
ブックフェア大賞館では、
なお、今年で7回目となる出版業者向けの専門フォーラムは、世界最大規模を誇るドイツのフランクフルト・ブックフェアと提携した「フランクフルト出版人材育成コース」を開催し、マーケティングやライセンスに関する項目に焦点をあてる。加えて、「出版大韓流」をテーマとした国際出版フォーラムも行い、韓国から出版業界の専門家を招き、韓国出版産業が近年、国際市場で目覚ましい活躍を見せる経験を共有する。