フェンシングの国際大会、「Callenge CEP Marathon Fleuret」がフランス・パリで1日と2日に行われ、台湾の陳奕通選手が男子フルーレの銀メダルを獲得した。今年の同大会にはU14(14歳以下)とU17(17歳以下)で合計803名の選手が出場。台湾からは欧豊銘監督がU17に呉若榛選手(アジア選手権代表)、陳奕通選手(アジア選手権代表)、U14に許勝閎選手(アジア選手権代表)、陳宣豪選手、黄靖詠選手の合計5名を率いて参加した。
陳奕通選手は278名の選手が出場したU17の男子フルーレで見事銀メダルを獲得。呉若榛選手と許勝閎選手もそれぞれU17女子フルーレ5位、U14男子フルーレ9位の好成績を上げた。陳宣豪選手は19位、黄靖詠選手は30位だった。
陳奕通選手は台湾のメディアに対し、「欧州ツアーのローマ大会に続いてパリの『Callenge CEP Marathon Fleuret』でもメダルを獲れてうれしい。ハイレベルの選手たちとの大会でメダルを獲れたことは自分にとって素晴らしい経験になる。これからも練習を積んで、今年のアジアジュニア・カデ選手権大会と世界ジュニア・カデ選手権大会でより良い成績を残したい」と述べた。
今回の大会では、選手たちの奮闘ぶりが試合以外でも発揮された。1月29日に会場入りした選手たちは、中華オリンピック委員会の会旗(チャイニーズタイペイを代表する旗)も国旗も掲げられていないことに気付いた。翌日になると中華オリンピック委員会の会旗が掲げられたが、2年前にパリで試合に出た時には中華民国の国旗があったほか、今年は主催者側が事前に監督に対し、国旗の使用を約束していたことから、選手たちは国旗が無いことに納得できなかった。このため討論の末、監督や保護者は頼らずに、英語が比較的上手な陳宣豪選手と許勝閎選手に旗を調整していた会場スタッフと話し合わせ、中華民国の国旗に交換してくれるよう要求。その結果、会場に中華民国の国旗が掲げられることとなった。
陳宣豪選手は、「会場スタッフは英語が出来ず、自分は携帯電話の翻訳ソフトを立ち上げて会話しようとした。すると英語を話すスタッフを連れてきてくれたので、2年前の大会で国旗が掲げられている写真を見せた。それで我々の考えを知ってもらえた」と話した。陳選手はまた、会場スタッフと話してわかったこととして、現地のスタッフらが陳選手たちのことを「台湾チーム」ではなく、「タイペイチーム」だと思い込んでいたことを挙げている。中国大陸のチームによる抗議など圧力が予想されたことについて陳選手は、「最初は少し心配したが、やはり要求すべきだと思った」と語った。