2025/05/08

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文化・社会

初の国産ロケット「飛鼠1号」、打ち上げは13日に台東県で

2020/02/11
初の国産ロケット「飛鼠1号(HAPITH-1)」(写真)が13日朝、台湾南東部・台東県達仁郷の先住民族の土地で打ち上げられる。ハイブリッドロケットの上昇高度の世界新記録がかかる。(自由時報より)
台湾が初めて自前で開発したロケット「飛鼠1号(HAPITH-1)」が13日早朝、台湾南東部・台東県達仁郷南田村の先住民族の土地で打ち上げられる。「飛鼠」はモモンガのこと。晋陞太空科技公司によるこのロケットは本来、昨年12月27日に南田村の海辺で打ち上げられる予定だったが、地元住民との調整が不十分でいざこざが起きたため延期を決定。その後、問題が解決し、13日の午前6時の打ち上げが決まった。この日は先祖の霊を祀り、打ち上げの成功を祈願する儀式も行われる。ロケットはすでに南田村に設けられた発射台で待機しており、現在は風向きのチェックや打ち上げ手順のシミュレーションなど関連の作業が進められている。予定では飛行時間は約10分間。地上250キロメートルの宇宙空間(大気圏外)に達してから下降し、離島・蘭嶼と緑島の間の海域に落下する。肉眼で確認できるのは打ち上げから2分間程度だという。
 
「飛鼠1号」は台湾にとって初の「国産」ロケット。打ち上げに成功したならばハイブリッドロケットの上昇高度200キロメートルの世界新記録を打ち立てることになる。また打ち上げコストも従来型のロケットの1/10で、かなりの競争力を持つことになり、台湾のロケット打ち上げ能力を世界に見せつけられる。先住民族の集落を打ち上げ地点にすると共に名称を「飛鼠1号(HAPITH-1)」とした理由は、「飛鼠」(モモンガ)が集落でよく見られる動物であることと、「HAPITH」が「楽しさ」を表すこと。この打ち上げが台湾の航空宇宙産業の未来を明るく切り開き、集落に発展をもたらしてくれるようにとの願いが込められている。
 
南田村の高富源村長によると、この発射場が設けられているのは個人の所有地で「原住民族基本法」(先住民族基本法)に関連の規定が無いため、ロケットを打ち上げるのに集落会議が同意する必要はない。前回の打ち上げが延期されて以降、政府の関連部署が集落での説明に努めた結果、住民たちも航空宇宙産業が重要な国家政策であることを理解するようになった。また、晋陞太空科技公司も地元の人たちと親睦を深めるなど善意を示した。高村長は、「今では安全対策さえ徹底してくれれば住民はみな打ち上げを受け入れる。集落としても観光業の発展につながるよう期待している」と述べている。
 
 

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