2025/08/07

Taiwan Today

文化・社会

「世界報道の自由度ランキング」、台湾は1ランク後退の43位

2020/04/23
「国境なき記者団」の「世界報道の自由度ランキング」で、台湾は昨年から1ランク順位を落として43位に。アジアでは韓国に次いで2位だった。写真は取材のために集められた報道機関のマイクやICレコーダー。(自由時報より)
新型コロナウイルス(COVID-19)が世界で猛威を振るっていることで、経済や文化に関する日常の各種活動が深刻な影響を受けているほか、ウイルスの感染状況に対する関心が高いことからインターネット上では連日、関連の情報が爆発的な量で広がっている。
 
そんな中、仏パリに本部を置く国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」は2020年度の「世界報道の自由度ランキング」を発表、人々が自由な報道や信頼できる情報を得る権利が脅威にさらされているほか、こうした脅威は新型コロナウイルスが世界に広がる中でより目立ってきているとして、向こう10年間がマスコミ業界の方向を決定づけるキー的な時期になるとの見方を示した。
 
RSFのクリフトフ・ドロワール(Christophe Deloire)事務局長は、マスコミ業界の未来は様々な危機に影響されるものだとした上で、「新型コロナウイルスの大流行によって、人々はどのようなマイナス要素が信頼できる情報を得る権利を脅かしているかを知った。そして感染症そのものがその状況を悪化させる要素なのだ」と話した。
 
RSFによると、新型コロナウイルスが広がる中で各国が報道の自由を制限する程度は、今年の「世界報道の自由度ランキング」の順位と明らかに関係している。今年の同ランキングではノルウェーが4年連続トップでフィンランドが再び2位だった。同じく北欧国家であるスウェーデンと西欧のオランダはインターネットを通じたハラスメント事件が増えたことで1ランク順位を落とした。
 
台湾は43位で、昨年から1ランク後退した。RSFはこれについて、台湾におけるメディア環境の問題を指摘。ニュースに対する立場の両極化から、視聴者を驚かせて関心を引くことにやっきになり、商業的利益を優先する過激な報道が増えたことがメディアの独立性に影響したと説明している。
 
台湾における報道従事者が殺害されたケースはゼロで、総合ポイントは昨年と比べて1.22低い23.76。43位という順位は42位の韓国に次いでアジアでは2位。RSFの分析では、台湾のニュースに政治が干渉することは少ないが、記者たちはそれぞれ立場が全く異なるメディア環境に身を置いており、市場は扇動的で過激な報道によって動く。また、利益の追求が最優先される。蔡英文総統は報道の自由を引き続き強化することを約束しているものの、記者が恣意的に記事を書く気風の改善、ならびに公共の議題に関する報道の品質向上を促す上で具体的な取り組みは少ないと指摘した。
 
 

ランキング

新着