2025/07/08

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文化・社会

工事現場の文化をユーモラスに描くドラマ『做工的人』、俳優たちに称賛の声

2020/05/12
台湾のテレビドラマ『做工的人(WORKERS)』が工事現場での文化をユーモラスに描いて話題に。現場作業員たちの悲哀と共に粘り強さも伝えているという。写真はドラマの一場面。ワニの「哥哥」を見て喜ぶ現場作業員たち。(大慕影藝提供、中央社)
台湾のテレビドラマ『做工的人(WORKERS)』(全6話)が工事現場での文化をユーモラスに描き、インターネット上で議論を巻き起こしている。同ドラマは10日夜に第1話と第2話が初めて放送された。現場作業員の家族たちは物語に共感し、「このドラマはコメディなのに、観ているうちに泣きたくなってくる」などと感想を述べている。
 
昨年大きな話題を呼んだ社会派ドラマ『我們與悪的距離』(日本題:悪との距離)の制作会社、大慕影藝が手がけた『做工的人』は10日夜に初放送され、90分間を通して退屈な場面の全く無い、テンポに乗ったストーリー展開で視聴者を魅了した。
 
主要キャストは李銘順、柯叔元、游安順、苗可麗、薛仕凌が演じる5人の現場作業員。コンビニエンスストアに入る前には靴を脱いで入口の外に置いておくこと、仕事でケガをしても小規模な病院にしか連れて行けないことなど、現場で働く人たちのセリフと、暮らしの中での細々とした行動を通じて工事現場での文化をリアルに描き出している。また、現場作業員を題材にしたドラマに対する視聴者の固定観念を打ち破り、労働災害や生活上の苦境に陥った時の庶民の粘り強さが表現される。
 
現場作業員に接したことのある視聴者、そして現場作業員を家族に持つ視聴者はこのドラマに驚きと喜び、そして親しみを感じている。ネット上では、「コメディの方式をとりながら実際の状況を伝えていることが分かる。ただ観れば観るほど、辛さと、道理の無さを感じる。彼らは十分なリソースを持てないことで、社会の下層から抜け出すことが出来ない」、「ある場面でウルウルしてしまった。笑いながら悲しいことを話しているような感じだ。たぶん我が家にも現場作業員がいるからだろう」などという声が上がった。
 
『做工的人』の鄭芬芬監督は、これら現場作業員たちが夢に「噛みついて放さない」精神を象徴するものとして動物のワニを使っており、ドラマにも小さな生きたワニの「哥哥」が特別出演。ただ、ワニの安全のため制作会社は22万台湾元(約78万日本円)を投じて「哥哥」の代役(等身大の模型)も作って撮影したという。
 
『做工的人』は全6話。5月10日より毎週日曜日の夜9時からHBOで初放送、1時間後の夜10時からはmyVideoで、4Kの高画質版を視聴出来る。
 
 

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