2025/05/24

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文化・社会

国家図書館、ドイツ人翻訳家から貴重なドイツ語書籍69冊寄贈受ける

2020/06/05
国家図書館はこのほど、ドイツ人翻訳家のGunter Whittome(中央、中国語名は張君徳)さんと、その妻で私立輔仁大学の張省卿教授(左)からドイツ語の貴重な書籍69冊の寄贈を受けた。いずれも19世紀後半から20世紀初めに出版されたもの。(国家図書館提供、中央社)
国家図書館(台湾北部・台北市中正区)はこのほど、ドイツ人翻訳家のGunter Whittome(中国語名は張君徳)さんと、その妻で私立輔仁大学の張省卿教授からドイツ語の貴重な書籍69冊の寄贈を受けた。いずれも19世紀後半から20世紀初めに出版されたもの。ドイツの著名な文学作品も多く、フリードリヒ・フォン・シラーの『シラー全集』17冊、ゲーテの作品10冊、ゴットフリート・ケラーの作品8冊、ハインリヒ・ハイネの作品5冊なども含まれている。
 
Gunter Whittomeさんは英国系ドイツ人。国家図書館に寄贈した書籍の多くは、父親が第二次世界大戦後に西ベルリンで買い求めたもの。Gunter Whittomeさん自身は、中国語の通訳・翻訳の資格を持ち、ドイツ・ハノーファーの地方裁判所で中国語及び英語通訳を務めた経験を持つ。台湾の228事件にも造詣が深く、1991年にはドイツ・ハンブルクの研究所から『台湾1947:反国民党の叛乱』と題する論文を出版したこともある。
 
妻の張省卿さんはベルリン大学で芸術史を学び、博士号を取得した。長くイコノグラフィー(図像学)の研究を行っている。研究の対象は、西洋の庭園における中国的要素、西洋における機械の図像、都市計画と建築史、ヨーロッパにおけるパイナップルの図像など。同時に、明末清初の中国で宣教活動を行ったアダム・シャールや、ルネッサンス、ドイツの表現主義、学生運動などの研究も行っている。
 
国家図書館の曽淑賢館長によると、同図書館では現在、出版100年以上が経過した西洋の古い書籍を約5,000冊所蔵している。そのうち最も多いのは、中華民国の元老と呼ばれる李石曽(1881-1973年)が1930年代にジュネーブに設立した「中国国際図書館」の蔵書で、その後台湾に運び込まれたもの。最近では、19世紀から4代にわたって西洋の貴重な書籍や初版本などを収集してきた中華系のコレクター家族「澄定堂」から書籍49冊の寄託を受けた。
 
 

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