秋に入ってから様々な野鳥が越冬のため季節風に乗って台湾南部・高雄市の「茄萣湿地」(以下、「茄萣湿原」)に集結している。チュウヒやムラサキサギ、タマシギなどの希少鳥類が次々と現れる中、クロツラヘラサギも100羽を超える群れで飛来。今月7日の立冬を過ぎると、美しいマガンの姿も観察出来るようになった。茄萣湿原で見られる鳥類はますます豊富になっており、高雄市では多くの人がバードウォッチングにやって来ることを期待している。
高雄市工務局の蘇志勲局長によると、マガンはカモ目カモ科の珍しい渡り鳥。学名のAnser albifronsはラテン語で「白い額」を意味している。マガンにはくちばしから額にかけて大きな白い斑紋があり、このため中国語でも「白額雁」と呼ばれるようになった。
マガンの繁殖地は北極圏などの寒冷地で、毎年8月から9月に越冬のため南下を開始。寒さが厳しくなるにつれて南下を続け、立冬のころに北回帰線以南の茄萣湿原にたどりつく。今回は一度に5羽の飛来が確認された。連なって飛ぶ姿をなんとかカメラに収めようと、今では大勢のバードウォッチャーが湿原に集まり、息を殺して見守っているという。
高雄市工務局の養護工程処では、マガンがその主な渡りのコースではない台湾で見られることは極めて少ないとして、マガンたちがいる間にチャンスを逃さず見に来てほしいと話している。