2025/06/03

Taiwan Today

文化・社会

台湾の漫画家が日本で相次いで受賞、漫画を通じた台湾体験はいかが

2020/12/18
台湾の漫画家たちが日本の漫画賞を相次いで受賞している。新型コロナウイルスの影響で日本の人たちが台湾旅行を楽しめない今、こうした漫画は台湾における生活文化の様々な一面を知るためのツールにもなる。左が金賞を受賞した『送葬協奏曲』、右は銀賞受賞作品『天橋上的魔術師図像版:阮光民巻』の表紙。(台北駐日経済文化代表処台湾文化センターによる「台湾漫画夜市」サイトより)
2020年10月に台湾の漫画家、Gene(ジーン)さんが『案山子のお守り』及び『慶典路上』で「京都国際マンガ・アニメ大賞2020」の大賞ならびに同イラストコンテストの優秀賞を受賞したのに続いて、台湾の韋蘺若明さんと阮光民さんが16日、「日本国際漫画賞」の金賞(最優秀賞)と銀賞(優秀賞)をそれぞれ獲得した。
 
日本の外務省が主催する「日本国際漫画賞」は16日に第14回の受賞者を発表。台湾の漫画家、韋蘺若明さんは金賞(最優秀賞)を、阮光民さんはベルギーの漫画家などと共に銀賞(優秀賞)を受賞、さらに台湾のD.S.さんも銅賞に輝いた。金銀銅いずれも受賞したことで、台湾の漫画家の実力を世界に知らしめることとなった。
 
「日本国際漫画賞」は2007年に日本の外務省が創設したもので、日本の麻生太郎首相(当時)が「漫画界のノーベル賞」を目指したという賞。毎年数多くの国の漫画家が応募している。14回目の今年は61カ国から383点の作品が集まった。
 
最高賞である金賞は台湾の韋蘺若明さんが『送葬協奏曲』で獲得。夢をあきらめて葬儀師となった主人公を通して、伝統的な葬儀と様々な別れの人生模様が描かれる。
 
「日本国際漫画賞」の銀賞は3名に贈られた。そのうち台湾の阮光民さんは『天橋上的魔術師図像版:阮光民巻』(日本題:歩道橋の魔術師 漫画版・阮光民巻)で受賞。同作品は小説『天橋上的魔術師』(日本題:歩道橋の魔術師)の作者、呉明益さんと阮さんによる合作で同小説を漫画化したもの。物語は1980年代の台北市(台湾北部)における中華商場(すでに解体撤去)を背景に、境遇の異なる様々な子どもと「魔術師」との交流を通して子ども時代の記憶が人生の寓話に変わる瞬間を伝えている。
 
銅賞受賞者は11名で、台湾のD.S.さんは『百花百色』で獲得。作品はLGBTなどのジェンダー問題に切り込んだもので、性的少数者の若者たちが社会の固定観念の中でいかにして成長していくかを描いている。タイトルには、「花にはみな違いがあり、異なる色彩を帯びながらも同じ空の下で自然に咲いている」という意味が込められている。
 
韋蘺若明さんと阮光民の受賞作品は台北駐日経済文化代表処台湾文化センターが設けているウェブサイト「台湾漫画夜市」で試し読みすることが出来る。
 
新型コロナウイルスの感染拡大が依然として深刻で、現在台湾での旅を体験出来ない日本の人々もこれらの漫画を通して台湾における生活文化の様々な一面を知ることが出来る。
 
 

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