国立清華大学(台湾北部・新竹市)の「印度台湾華語教育中心」(インド・台湾中国語教育センター)が15日、「在台インド人教授顧問団」を創設、台湾在住のインド人教授30名を顧問団のメンバーとして招請し、同大学の信世昌副校長(副学長)が顧問団の証書を授けた。信副校長は、台湾の高等教育のインド進出を後押しすることにつながるほか、台湾とインド双方の交流と協力関係がこれによって強まるよう期待した。
「印度台湾華語教育中心」計画オフィスの王偉中主任によると、台湾がインドに「台湾教育中心(TAIWAN EDUCATION CENTER)」を設立して今年8月で10周年。「台湾教育中心」は外国人学生の呼び込みと海外での中国語教育のため教育部(日本の文科省に類似)の補助を受けて台湾の大学が海外に設置する教育センターのこと。こうした政策の下、台湾で学ぶインド人学生は2011年の545人から昨年には5倍以上の2,783人まで拡大した。今回の顧問団創設は、新型コロナウイルスによる人の移動制限が今年下半期に解除された場合、より多くのインド人学生が台湾にやって来る可能性を見越してのもの。
王偉中主任は、顧問団創設で高等教育に関する台湾とインドの交流を助け、将来的には台湾の産業界と共にインド進出に向けた「高等教育ナショナルチーム」を組織する構想を明らかにしているほか、さらには台湾とインドによる「インターナショナルチーム」も立ち上げて、台湾で暮らすインド人の学者たちの経験と人脈を借りて台湾のアンテナをインドに張り巡らせるとしている。
王主任によると、現在台湾で教鞭をとるインド人教授は30名あまり。今回の顧問団は台湾の高等教育をインドに根付かせるためのブレーンとなるほか、様々なコンサルタント業務も行うという。
台湾で暮らして7年、台北医学大学(台湾北部・台北市)で教鞭をとっており、すでに「永久居留証梅花卡」(梅花カード)を取得しているインド人教授の那塔利さんも顧問団に加入、顧問団は台湾とインドの交流にプラスのつながりと発展をもたらすだろうと期待した。「梅花カード」は中華民国(台湾)に特別な貢献を果たした外国人、もしくは中華民国(台湾)が必要とする高度専門人材である外国人などが申請出来る特殊な居留証のこと。また、来台3年で国立中山大学(台湾南部・高雄市)で教鞭をとっているという克拉迪さんは、中国語は現在の国際言語の一つであり、台湾で中国語を学ぼうと考えるインド人は少なくないと指摘した。
朝陽科技大学(台湾中部・台中市)で教える宋瑪雅さんも「梅花カード」をすでに取得。宋瑪雅さんは、「台湾は第二の祖国だ」とし、台湾における生活の利便性や豊富な教育資源、濃厚な人情味などを挙げて、インド人学生に台湾での就学を薦めたいと話している。