2025/05/04

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文化・社会

新荘区の元「興直公学校」旧校舎が新北市の「歴史建築」に

2021/05/07
台湾北部・新北市新荘区にある新荘国民小学は100年以上の歴史を持つ学校で前身は日本統治時代に出来た「興直公学校」。赤レンガで4棟続きの教室はその旧校舎である。このほど新北市によって市の「歴史建築」(文化資産)に指定された。写真は同校舎の裏側。窓枠のアーチが美しい。(新北市文化局サイトより)
台湾北部・新北市新荘区にある新荘国民小学(小学校)は100年以上の歴史を持つ学校で、赤レンガで4棟続きの教室は日本統治時代の1901年(明治34年)に開校した「興直公学校」の旧校舎である。新北市文化局はこのほど、その時代を感じさせる建築様式、ならびに地元の教育の発展を見つめ続けてきた建物としての価値を評価して市の「歴史建築」(文化資産)に指定した。
 
同市文化局によると、「興直公学校」の校舎が全て完成したのは1912年(明治45年)で、今回「歴史建築」に指定された4棟続きの教室は同校に現存する最も古い建物。新荘国民小学はさきごろ校舎の改修を進める中で旧校舎の本来の姿を見つけ、文化資産として永久に保存できることを望んだ。
 
これを受けて文化局は「文化資産保存法」における関連の規定に則り、文化資産審議委員に対して学校側の関係者と共に実地調査を行うよう要請。さらに新北市の「古跡歴史建築記念建築聚落建築群史跡文化景観審議会」を開いて「歴史建築」指定について話し合った。
 
その結果、同審議会の委員たちは、4棟続きの教室が赤レンガ構造で、その窓枠などのアーチとキーストーン(アーチの中央にある「くさび石」のこと)の積み上げ方は明治時代における赤レンガ構造のスタイルだとする見解で一致。屋根は鉄筋コンクリート造の平らな屋根に改められたが、壁と建材の保存状況もよく、日本統治時代の新荘地区における教育の発展に立ち会ってきた建物として建築史的価値があると判断した。
 
4棟続きの建物は当時の学校教室の配置原則に基づき、北側に南向きで建てられて廊下は南側に設けられている。また、外観の施工材料と工法は今もはっきりと見ることが出来、今も使用されている。新北市ではこうした特徴から、この教室は生徒たちに文化資産を認識させるための場所に出来るとして、「新荘原興直公学校旧校舎」(新荘区の元「興直公学校」旧校舎)を市の「歴史建築」に指定した。指定の公告は4月29日に行われた。新北市文化局の統計によれば、今年5月6日の時点で同市の有形文化資産は190件、無形文化資産は51件で合わせて241件となっている。
 
 

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