蔡英文総統は8日午後、台湾南部・台南市で開催された「百年圳流-嘉南大圳開工満百週年紀念活動(=嘉南大圳着工100周年記念式典)」に出席した。烏山頭ダム(台湾南部・台南市)とそれを含む農水施設である嘉南大圳は1920年に着工し、1930年に完成した。石川県出身の日本人技師、八田與一(1886~1942年)が建設に尽力したもの。当初は昨年9月に式典を開催する予定だったが、コロナの影響で延期されていた。蔡総統の祝辞の概要は以下のとおり。
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本日は日本と同時進行で、記念式典が開催されることを歓迎したい。また、私自身、烏山頭ダムにある「八田與一紀念園区」を訪れ、嘉南大圳の着工100年を一緒に祝うことが出来て嬉しく思う。
嘉南大圳は広大な農地を潤し、嘉南平原を台湾の重要な穀倉地帯に変えた。この偉大な水利事業は、100年前に行なわれた巨大な工事と先見の明によって実現したものだ。1920年に着工し、10年の歳月を経てようやく完成した嘉南大圳は、当時東アジア最大、世界でも3本の指に入る水利システムと称えられた。
このように重要な建設事業を完成させることが出来たのは、ダムの設計から工事の監督までを担った八田與一技師と、この工事に関わった台湾・日本すべての技術者や労働者の努力によるものだ。この歴史は台湾と日本の絆の証しである。
この100年間、嘉南大圳の流れが絶えることのないように、台湾と日本は技術・経済・農業・文化の各方面で緊密な交流を維持してきた。我々が共に努力することで、台湾と日本の友好関係がこれからも続いて行くと信じている。
台湾と日本はこれからも助け合うだけでなく、共に貢献する力をもって、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止め、気候変動への対応についても手を取り合って協力して行きたい。当時の八田技師の勇気、ビジョン、そして行動力を見習い、100年後の子孫のために美しい環境を残していこう。