2025/07/20

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聯亜生技の新型コロナワクチンが第Ⅱ相治験終了へ、6月末には結果公表か

2021/05/14
蔡英文総統は新型コロナウイルスの国産ワクチンの接種を7月末にも始めたいとしている。台湾の聯亜生技開発が開発中のワクチンは第Ⅱ相臨床試験がまもなく終了するとのことで、7月末の接種開始が現実味を帯びてきた。(自由時報より)
新型コロナウイルスの国産ワクチンを今年7月から接種できる可能性が出てきた。聯亜生技開発股份有限公司(以下、「聯亜」)の開発するワクチンの第Ⅱ相臨床試験(治験)執行計画代表者を務める中国医薬大学(台湾中部・台中市)附設医院(=付属病院)の黄高彬副院長によると、第Ⅱ相臨床試験では参加者4,821人が今週中に2回目の接種をほぼ終える。28日後に血液を採取して抗体検査を行う予定で、遅くとも6月末には結果に関するレポートを公表出来るという。
 
黄副院長はこのワクチンの効果と安全性に自信を示しており、蔡英文総統の求める「国産ワクチンの接種を今年7月にスタートさせる」というスケジュールにも対応可能だとしている。このため黄副院長は、衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)が盲検でのデータ収集と分析を速やかに行って関連の抗体濃度に基準を設けることに期待。そうなればただちに食品薬物管理署に緊急使用許可(EUA)を申請出来、海外での第Ⅲ相臨床試験を経て直接外国に販売することも可能になるという。
 
黄副院長によると、第Ⅱ相臨床試験の参加者のほとんどが今週中に2回目の接種を終えられ、時間的に都合がつかない、ほんの一部の人だけが後日接種することになる。接種から28日経過して免疫が獲得されれば血液を採取して抗体検査を実施し、台湾の最高学術研究機関・中央研究院での検査にまわす。早ければ全ての工程を6月末に終え、抗体陽転率や総合抗体の効果を検証出来る。黄副院長は、第Ⅱ相臨床試験での効果と安全性は第Ⅰ相試験とほとんど変わらず、抗体陽転率100%、ならびに総合抗体の高い濃度が期待できるとしている。
 
ワクチンの効果は抗体陽転率と総合抗体の濃度による。総合抗体の濃度は自然感染による抗体より高くなければならない。関連の基準は、来週食品薬物管理署が許可の条件を話し合って決める。また、これはWHO(世界保健機関)が最近定めている、海外と台湾のいずれも受け入れ可能な基準に基づくものとなる。
 
副反応の問題について黄副院長は、第Ⅱ相臨床試験で副反応が現れたケースは大変少ないほか、その症状も主には限られた部位でのだるさを伴った痛みや、2日間から3日間の赤い腫れだったと指摘。発熱したケースはまれで、だるさを伴った痛みが数日間続いたのもごく少数だったと説明している。
 
 

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