2025/05/02

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台湾語で詩の書かれた絵本『情批』がボローニャ・ラガッツィ賞で優秀賞に

2021/05/28
台湾のソフトパワーが再び世界で脚光を。イラストレーター・阿尼黙(Animo Chen)さんが台湾語による詩で制作した絵本『情批(Love Letter)』(恋文)がこのほど、イタリア・ボローニャ国際児童図書展の中で行われるボローニャ・ラガッツィ賞ポエトリー部門で優秀賞に選ばれた。(ボローニャ国際児童図書展のフェイスブックより)
台湾のソフトパワーが再び世界で脚光を浴びている。イラストレーター・阿尼黙(Animo Chen)さんが台湾語による詩で制作した絵本『情批(Love Letter)』(恋文)がこのほど、イタリア・ボローニャ国際児童図書展の中で行われるボローニャ・ラガッツィ賞ポエトリー部門で優秀賞に選ばれた。阿尼黙さんは昨年、『小輓』でヤングアダルト漫画部門大賞を獲得したのに続く受賞。
 
阿尼黙さんは27日、報道陣に対し、二度目の受賞であり前回ほど興奮していなかったが、審査員のコメントで自分が母語で書いた作品であることに触れられているのを見てとても嬉しくなったと明かし、「母語で注目を集めたことに最も誇りを感じる」と語った。
 
阿尼黙さんの本名は陳永凱(CHEN YUNG KAI)。大葉大学(台湾中部・彰化県)ビジュアル・コミュニケーション・デザイン学科を卒業し、チェコ国立プラハ応用美術大学で修士を取得している。2004年にはテレビ映画『我倆沒有明天(We Don't Have a Future Together)』でゴールデンベルアワード(金鐘奨)最優秀美術指導賞にノミネート。2005年には監督を務めた短編アニメ『366巴士』(366号バス)で経済部(日本の経産省に相当)工業局の「国際級数位内容動画産品雛形奨」(国際レベルのデジタルコンテンツ動画製品ひな形賞)で助成金100万台湾元(約390万日本円)の大賞を受賞した。
 
ボローニャ国際児童図書展(Bologna Children's Book Fair)は児童書専門の世界的な見本市で、世界のイラストレーターにとっての一大イベント。毎年春にイタリアのボローニャで行われ、世界各地の新刊書の出版権などが取り引きされる。また、同時に行われるボローニャ国際絵本原画展(Bologna Illustrators Exhibition)ならびにボローニャ・ラガッツィ賞(Bologna Ragazzi Award)はさらに世界の注目を集めるイベントになっている。今年のボローニャ・ラガッツィ賞ポエトリー部門には28カ国から210点の作品が応募し、大賞1作品と優秀賞4作品が選ばれた。
 
『情批』を出版した大塊文化出版股份有限公司の郝明義董事長(会長)はフェイスブックに審査員のコメントを転載、「台湾のイラストレーターで作家の阿尼黙による詩は優しく、緊張感に満ちているほか神秘的な雰囲気も漂わせており、極めて美しいイラストと組み合わさっている」と紹介した。コメントではまた、「とりわけ触れるべきことは、この詩の原文が台湾語で書かれていることだ。大多数の台湾人の母語だが公用語として採用されていない」と述べられている。
 
 

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