台湾出身で母語は中国語ながら日本で日本語による創作活動を行う作家、李琴峰さんがこのほど小説『彼岸花が咲く島』で第165回芥川龍之介賞(通称:芥川賞)を受賞した。今年の受賞作品は2つで、石沢麻依さんの『貝に続く場所にて』も同賞を獲得した。
芥川賞は日本で純文学の新人に与えられる最も重要な賞。李琴峰さんは2019年に『五つ数えれば三日月が』で初めて芥川賞候補となったが惜しくも受賞はならず、今回捲土重来、新作『彼岸花が咲く島』で見事芥川賞を射止めた。『彼岸花が咲く島』は今年4月に第34回三島由紀夫賞の候補作品にもなったが受賞は逃している。また、今年3月には昨年刊行した『ポラリスが降り注ぐ夜』で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞し、注目を集めていた。