「財団法人国家実験研究院国家高速網路与計算中心(National Center for High- performance Computing, NCHC)」(国研院国家高速ネットワーク・コンピューティングセンター、以下「NCHC」)が15日、バイオテクノロジーと分子診断の世界的企業キアゲン(QIAGEN)と化学シミレーションソフトのSCM(Software for Chemistry & Materials)、データベースのモンゴDB(MongoDB Inc.)が「科技抗疫2.0専案」(テクノロジーのアンチ・コロナ2.0プロジェクト)に正式に加わり、台湾における新型コロナウイルスの分析と治療薬の開発に協力することを明らかにした。
新型コロナウイルスの変異株が世界で次々に現れる中、台湾におけるより効果的な分析と検査方式の開発を加速できるよう、科技部(日本の省レベル)に属するNCHCは6月初旬に「テクノロジーのアンチ・コロナ2.0プロジェクト」を打ち出し、様々な研究計画を広く募った。このプロジェクトはNCHCが台湾最大のスーパーコンピュータのリソースを提供し、新型コロナに対抗する研究団体やスタートアップ、産業に利用してもらおうというもので、すでに50あまりの提案が集まっている。6月下旬にはゲノム解析の世界的企業イルミナ(Illumina)と協力し、新型コロナウイルスのゲノム解析サービスの無償提供が始まった。
そしてNCHCが15日に明らかにしたところによると、それぞれの分野で代表的な企業キアゲンとSCM、そしてモンゴDBも同日正式に「テクノロジーのアンチ・コロナ2.0プロジェクト」に加わった。
キアゲンはゲノム解析のソリューション「CLC Genomics Workbench」と解析ソフト「Ingenuity Pathway Analysis, IPA」をNCHCに無償で使用させ、ウイルスが変異しているかどうかの迅速な判断、ならびにヒトがウイルスに感染する生物学的経路の分析研究を支援する。
また、SCMは「Amsterdam Modeling suite(AMS)」ソフトを提供し、新薬の開発とその活性予測シミュレーションに協力する。統合型で図形化されたインターフェースがNCHCのモジュールと組み合わさり、様々なスケールのシステムシミュレーションに柔軟に使えることで実験に必要な時間とコストを大幅に抑えられるという。
さらにNCHCは台湾智慧雲端服務股份有限公司(TWS)と共にモンゴDBのデータベースを使用し、テクノロジーを用いた感染防止を目指すグループに対し、台湾コンピューティングクラウド(TWCC)上で10セット、モンゴDB(M1クラス)のサービス、ならびにモンゴDBのデータベースに関する全面的なトレーニングとコンサルティングサービスを無償で提供する。
TWCCはNCHCが台湾のクアンタ・コンピュータ、台湾モバイル、エイスース(ASUS)の3社と立ち上げたクラウド型AIプラットフォームのこと。キアゲン、SCM、モンゴDBによる支援は今年12月31日まで続けられる。