文化部(日本の文科省に類似)所管の行政法人文化内容策進院(台湾クリエイティブコンテンツエージェンシー、略称TAICCA)は16日、コロナ禍で海外旅行ができない中、台湾の文化やコンテンツを日本で広めるためのイベント「脳内トラベル台湾」を複数の書店との連携でスタートさせた。
16日に行った記者会見では東京と台北をオンラインで結び、台北からはTAICCAの丁暁菁董事長(会長)、李明哲院長、トークイベント第1弾に登壇する行政院(内閣)の唐鳳政務委員(オードリー・タン。IT政策担当の無任所大臣)、日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰代表(日本の駐台代表)が、東京からは台北駐日経済文化代表処台湾文化センターの王淑芳主任、誠品生活JAPAN営業部の呉若萍総監などが出席した。
TAICCAの丁暁菁董事長は記者会見の冒頭で、日本からのワクチン供与に感謝した。そして「これは美食、生活スタイル、雑貨、トーク、漫画、文学など、台湾の文化とコンテンツを通して日本の皆さんに全方位的な体験を提供し、台湾を認識してもらうTAICCA初の試みだ。日本の皆さんを台湾への脳内旅行にいざなう。イベントを通してより多くの人々に台湾旅行の楽しさを知ってもらいたい」と述べた。
日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰代表は、「TAICCAのこのイベントを通して、日本の人たちは今年の夏、ようやく台湾への『脳内旅行』を実現することができる。イベントを実施する書店は、台湾を感じることのできる数々の書籍を準備している。トークイベントも非常に魅力的で、台湾ロスに陥っている台湾好きの日本人たちを癒してくれるはずだ。このイベントは、日本にいながらにして台湾をより深く理解するための窓口になるだろう」と期待を寄せた。
オードリー・タン氏は、自身のツイッターで陳耀昌さん原作の小説『傀儡花(邦訳:フォルモサに咲く花)』を紹介したところ多くの日本人から関心が寄せられたと紹介。この小説は公視(公共テレビ)によってドラマ化され、14日に第1話と第2話が続けて放送されたばかり。海外では文化部(日本の文科省に類似)が運用を開始する海外向けコンテンツ配信事業「Taiwan+」で8月30日に1~6話が一挙公開されることになっている。オードリー・タン氏はこれらを踏まえ「世界の人々により全方位的なマルチメディア・エクスペリエンスを提供したい。新型コロナウイルスが収束に向かえば、小説やドラマで描かれているシーンについて、いつか直接会って語り合うことができると信じている」と語った。
このイベントは誠品生活日本橋(東京都中央区)をメイン会場とし、下北沢にある「本屋B&B」(東京都世田谷区)、ところざわサクラタウンに位置する「ダ・ヴィンチストア」など計3つの書店と連携して行う。各書店に専門のコーナーを設置し、それぞれの書店のスタイルや客層に合わせ、台湾関連の書籍や台湾発の生活雑貨を配架する。
また、合計4回のトークイベントを行う。会場観覧とオンラインで同時開催するスタイルで、日本の人々に台湾の文化やコンテンツ、書籍などを紹介する。16日に行われたトークイベント第1弾ではオードリー・タン氏が登壇した。今後は本屋B&B共同経営者の内沼晋太郎氏、直木賞作家の乃南アサ氏、声優の池澤春菜氏のトークイベントが予定されている。
【脳内トラベル台湾】
イベント開催期間:2021/8/16~9/15
公式サイト:https://nounai-travel-taiwan.taicca.tw/