中華民国政府で台湾における先住民族政策を担う原住民族委員会(日本の省レベル)が1日夜、台湾北部・台北市内のホテルで晩餐会を開き、今年の東京オリンピックで活躍した先住民族出身のアスリートたちを称えた。同委員会のトップ、夷将・抜路児(Icyang・Parod)主任委員は表彰状と奨励金を手渡してこれら台湾先住民族出身の選手たちの好成績を祝い、彼らを労うと共に、全ての選手たちがこれからも努力し、さらなる高みに到達することを期待した。
夷将・抜路児主任委員によると、今回東京オリンピックに参加した台湾の選手68名のうち2割、13名が先住民族出身の選手だったのに対し、台湾の全人口に先住民族が占める割合はわずか2.45%。そうした中、アミ族出身の重量挙げ選手・郭婞淳は金メダル(女子59キロ級)、パイワン族出身の柔道選手・楊勇緯は銀メダル(男子60キロ級)に輝いた。これについて夷将・抜路児主任委員は、2人は台湾が今回獲得した金・銀メダル(金2銀4で合計6個)の三分の一を稼ぎ出したことになり、それによって先住民族たちは大いに誇りを感じ、また台湾先住民族の名を世界に知らしめることにもなったと称えた。
夷将・抜路児主任委員はさらに、今回のオリンピックで大変うれしかったこととしてボクシング女子60キロ級の陳念琴選手(ベスト8)が勝利の瞬間、先住民族語で「自分はアミ族の子だ」と叫んだことを挙げ、「本当に感動的だった」と感想を述べた。
夷将・抜路児主任委員はまた、今年の「原住民族語言能力認証測験」(先住民族言語能力検定試験)の受験受付が9月中旬に始まることに触れ、今回のオリンピックで好成績を挙げて晩餐会に出席した先住民族出身の選手たちが先住民族言語の宣伝映像の制作に協力し、みなに「先住民族の言葉を話そう、検定試験に参加しよう」と呼びかけるなど、先住民族言語の文化の継承に力を貸してくれたことに感謝した。