2025/08/06

Taiwan Today

文化・社会

花蓮慈済医院、出血性ショックの妊婦と赤ちゃんを30人がかりで救う

2021/10/22
自宅で大量出血を引き起こし、病院に搬送されてきた妊婦と胎児を30人がかりで救った。ネットでは「赤ちゃんにこの世界の美しさを見せてくれた医療従事者の皆様、お疲れ様でした」などと医療従事者をねぎらうコメントが書き込まれている。(フェイスブックページ「麻酔医師霊魂所在的地方」より、自由時報)
「主動脈」のペンネームで著書を持つ麻酔科の医師が20日、フェイスブックページ「麻酔医師霊魂所在的地方」に投稿した文章が話題を呼んでいる。前置胎盤のため自宅で大量出血を起こし、病院に搬送されてきた妊婦とお腹の中の赤ちゃんを助けるため、病院内のさまざまな診療科の医師や看護師約30人が取り組んだというエピソードだ。通常のお産の約4倍のスタッフを動員したが、いまは母子ともに安定しているという。このお産の舞台となった花蓮慈済医院(台湾東部・花蓮市)婦産部産科の魏佑吉主任はその後、メディアの取材に対して「赤ちゃんはよく通る声で泣いており、とても元気だ」と述べている。
 
魏佑吉主任によると、自宅で大量出血を起こし、花蓮慈済医院に搬送されてきたとき、妊婦は出血性ショックですでに意識がなかった。血圧も測定不能で、胎児の心拍も弱まっていた。花蓮慈済医院で妊婦検診を行っていた患者ではなかったことからカルテもなかったが、医師たちは帝王切開の手術を行うことを決めた。病院に搬送されてから、赤ちゃんを取り出すまでにかかった時間はわずか17分間。同時に、6袋の血液を輸血した。
 
魏佑吉主任によると、これほどの大量出血によってショック状態になる妊婦は現代では非常に珍しく、おそらく胎盤の早期剥離によって出血が引き起こされたと考えられる。妊婦がすでにショック状態に陥っていたことから、胎内の赤ちゃんも酸欠となり、血液が十分にいきわたらない状況だった。このため胎児の皮膚は青紫色になっており、その第一声が聞こえたときは皆、ほっと胸をなでおろしたという。「主動脈」の投稿にも、帝王切開で胎児を取り出したとき、出産直後の新生児の健康状態を表すアプガー指数(Apgar score)は3点しかなく(7~10点が正常、3は非常に危険な状態を示す)、そのため胎児は全身が紫色だったと書かれている。
 
「主動脈」は投稿の中で、「以前ならこういう赤ちゃんは死ぬ運命だった」、「しかし現在は、急いで処置を行えば生きるチャンスが生まれる」と書いている。幸い大勢の医師や看護師たちの懸命の処置によって、この赤ちゃんは一命をとりとめることができた。「生命の強さは、ときに私たちの想像を上回る。すくすくと育つんだぞ。きょう、これほど大勢の人が君を救うために懸命になったことを無駄にしないためにも」と「主動脈」は書いている。
 
この投稿に対して、赤ちゃんの父親がコメント欄に「先生、こんにちは。私は赤ちゃんの父親です。昨日発生したことはすべてが突然でしたが、先生と医療チームには非常に感謝しています。妻と子供を救ってくださったことに、心から感謝します。赤ちゃんはきっと健康に育つことでしょう!」と書き込んでいる。
 
この投稿と現場で撮影された写真が反響を呼び、ネットユーザーを感動させている。コメント欄には「赤ちゃんにこの世界の美しさを見せてくれた医療従事者の皆様、お疲れ様でした」、「医療チームの懸命な働きに感謝し、敬意を払います」、「小さな命に大きなチャンスをくれた皆さんに感謝します」、「皆さんありがとう!あなたたちがいるから、一つの新たな生命が無事にこの世界に生まれてくることができました!」、「涙がこぼれました。小さな赤ちゃん、すくすく育ってね!医療従事者の皆さん、お疲れ様です」、「いつも死神と綱引きをして患者の命を守っているあなたたち白衣の天使に感謝します」、「ありがとう。あなたたちの存在があるから、この世界にまた美しいことが増える。小さな赤ちゃん、頑張って生きてね!お母さんも頑張って」などのメッセージが数多く書き込まれている。
 

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