ノルウェー出身のトライアスロン選手グスタフ・イデン(Gustav Iden)さんが6日、米フロリダ州で開催されたトライアスロンの大会に出場し、7時間42分57秒のタイムで優勝した。イデンさんは水泳と自転車で後れを取っていたが、マラソンで劇的な逆転を果たして注目された。
イデンさんは、彰化県(台湾中部)埔塩郷の順沢宮の「神帽(=神の帽子)」をかぶってトライアスロンの試合に出場し、好成績を上げていることで知られる台湾では高い知名度を持つ選手だ。「神帽」をかぶって出場した試合での優勝はこれで5回目となる。イデンさんは今回も試合終了後、優勝したときの写真をインスタグラムに掲載してファンと喜びを分かち合った。かぶっている帽子にははっきりと「埔塩順沢宮」の刺繍を見ることができる。
通称「神帽」と呼ばれる「埔塩順沢宮」の刺繍が入った帽子は、順沢宮の信者たちが作ったもの。イデンさんが日本を訪れたときに偶然路上で拾い、これをかぶって2019ITUワールドトライアスロン・オリンピッククオリフィケーションイベント(東京)に参加したところ4位の成績を収めた。仏ニースで開かれたアイアンマン70.3ワールドチャンピオンシップ(2019年)にもゲン担ぎのためこれをかぶって出場したところ優勝。2020年12月にアメリカで行われたPTO(Professional Triathlete Organization)主催のトライアスロンチャンピョンシップにもこの帽子をかぶって出場し、見事優勝を果たした。
今回の試合では最初の水泳と自転車で3位と出遅れていたが、最後のマラソンで「神風」が吹き、逆転優勝を果たした。イデンさんの逆転優勝は大きなサプライズとして注目された。
イデンさんは2019年に仏ニースで開かれたアイアンマン70.3ワールドチャンピオンシップで優勝したとき、「埔塩順沢宮」の刺繍が入った帽子をかぶっていたことが台湾のメディアに取り上げられ、注目された。彰化県はその後、イデンさんを「田中マラソン」に招待。イデンさんは順沢宮への「お礼参り」を果たした。イデンさんは現在、彰化県の「名誉県民」でもある。
順沢宮の陳守欽総幹事はメディアの取材に対し、イデンさんが「神帽」をかぶって5度目の優勝を果たしたことについて、「イデンさんが再び、順沢宮の名が海外メディアに登場するきかっけを作ってくれたことを嬉しく思う。ぜひまた彰化県埔塩郷に来て欲しい。そしてこれからも頑張って、もっと良い成績を残して欲しい」とこれからの活躍に期待を寄せた。