台湾の最高学術研究機関・中央研究院の元院長、李遠哲氏がこのほど、自身が1986年に受賞したノーベル化学賞の証書とメダルを国立台湾歴史博物館(台湾南部・台南市)に寄贈した。李氏は台湾で生まれ育った初めてのノーベル賞受賞者。メダルと証書は3日から常設展で公開されている。
李遠哲氏が寄贈したのは学術に関するメダル51セットと学位に関する証書ならびに式服41セット。そのうちノーベル賞のメダルと証書は同博物館2階の「斯土斯民:台湾的故事」常設展で展示されている。ノーベル賞のメダルが貴重なことはもとより、証書もスウェーデンの芸術家がその年の受賞者のためだけに描いた絵画で、証書そのものがユニークな芸術作品となっている。
国立台湾歴史博物館の張隆志館長は、李氏がその研究成果によって手にした重要な文物を寄贈してくれたことに感謝すると共に、これは同博物館が国際的なつながりを整え、協力する能力を備えていることの象徴だとアピールした。なお、同博物館が新たに建設した「湖畔図書館」は来年正式にオープンする予定で、その時には李遠哲氏の文物の特別展を開催するという。