台北駐タイ経済文化代表処(タイにおける中華民国大使館に相当)は15日夜、タイの首都バンコクの映画館「House Samyan」で、タイのドキュメンタリークラブ(Documentary Club)との共催で2021年「台湾ドキュメンタリー映画祭inタイ(Taiwan Documentary Film Festival in Thailand)」の開会式を開催した。
4年目を迎える今年は、オープニング作品として侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の『海上花(邦題:フラワーズ・オブ・シャンハイ)』の4Kデジタルリマスター版が上映された。この映画は当時、中国語映画のアカデミー賞とされるゴールデンホース・アワード(金馬奨)の「評審団大奨(=審査員賞)」と「最佳美術設計(=最優秀美術設計賞)」を受賞したほか、第51回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品するなど大きく注目された作品だ。今年度の映画祭では長編映画10作品と短編映画3作品が上映されることになっている。
上映作品の中には、第70回ベルリン国際映画祭で「テディ賞」の審査員特別賞に選ばれた蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督の長編映画「日子」(Days)も含まれる。この作品はバンコクを舞台にした作品だ。また、日本の山形国際ドキュメンタリー映画祭で「アジア千波万波部門奨励賞」を受賞した許慧如(シュウ・ホイルー)監督の『雑菜記』とその続編『黒画記』や、「国家文芸奨」を受賞した作家・七等生さんの創作活動の軌跡と人生を追ったドキュメンタリー映画『削瘦的霊魂』などもある。
開会式で祝辞を述べた台北駐タイ経済文化代表処の徐蔚民副代表は、「自由と創造力に富んだ創作環境が、台湾映画のテーマや内容をより多様なものとし、文化に活力を与えている。これらの映画を通してさまざまなアプローチから、台湾文化を深く体験して欲しい」と期待を寄せた。