日本の小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」から噴出した大量の軽石が、台湾各地の漁港に漂着して漁船の出入りを阻害している。統計によると、各県・市の中でも台湾北部・新北市の漁港で回収された軽石が最も多く、計200トンに上る。行政院農業委員会漁業署(=日本の水産庁に相当)は28日、台湾各地にある農業委員会農業改良場に回収した軽石の研究を委託し、将来は園芸用の軽石として再利用できないか検討することを決めた。
小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」が噴火したのは今年8月のこと。噴出した軽石は潮流や季節風に流され、今年12月から台湾周辺の海域や港湾に相次いで漂着している。漁業署は28日、漂着した大量の軽石が漁船の出入りを阻害している問題を解決すべく、内政部営建署、海洋委員会、環境保護署、経済部礦務局、農業委員会農場改良場、それに各県・市などの関係者を集めた会議を開き、漁港の軽石問題の解決方法について意見交換を行った。
漁業署が発表したニュースリリースによると、軽石は天然物質であるため、全く利用価値がないというわけではない。このため、農業委員会農業改良場に実験と研究を委託し、これらの軽石を土壌改良剤に加工し、植物や作物の生長に役立てることができないか検討する。
漁業署の統計によると、台湾各地の漁港で回収した軽石は新北市が最多の200トンに達する。次いで多いのは基隆市(台湾北部)が30トン。その他の県・市の漁港でも軽石の回収が行われている。