2025/06/26

Taiwan Today

文化・社会

「伝芸金曲奨」特別賞受賞の作曲家、故曽仲影氏に褒揚令

2022/01/06
昨年12月に死去した台湾の作曲家、曽仲影さんの追悼式が5日に行われ、参列した文化部の李永得部長(右)が蔡英文総統の代理として「褒揚令」を授与した。左は曽仲影さんの長男、曽英峰さん。(文化部サイトより)
昨年12月に死去した台湾の作曲家、曽仲影さんの追悼式が5日に行われ、参列した文化部(日本の省レベル)の李永得部長(大臣)が蔡英文総統の代理として「褒揚令」を授与。故人に代わって曽さんの長男、曽英峰さんが受け取った。「褒揚令」は国に多大な貢献をした国民を政府が称えることを示す公文書。曽仲影さんは1922年生まれで昨年12月11日に亡くなった。2020年には台湾を代表する音楽賞である「金曲奨(Golden Melody Awards)」の伝統及び芸術音楽部門(「伝芸金曲奨」とも)で特別賞を受賞している。
 
文化部が5日に発表したプレスリリースによると、曽仲影さんはその生涯で無数の作品を生み出したほか、その分野は演劇、映画、流行音楽と幅広く、1950年代から100本を超える映画、そしてテレビ用に作られた台湾の伝統的な演劇「歌仔戯」(タイワニーズオペラ)1,000話以上の音楽を手がけた。文化部は、それらはみな多くの台湾人にとって幼い日々の記憶であり、曽さんは台湾のテレビや映画の音楽界に欠くことの出来ない重要な作曲家だったとその死を悼んだ。
 
曽さんの作品について文化部は、映画やテレビのBGM(背景音楽)のみならず、戯曲やミュージカル、民謡、そして広く知られる流行歌である『藍色的夢』、『一顆流星』などそのジャンルは多様で作品の数も多く、台湾の音楽史に豊かな音楽資産を残してくれたと称えている。
 
文化部の李永得部長は曽仲影さんの書いた、「風霜幾度似雲煙,藝海茫茫岸無邊,笑傲怡然行我獨,流星歳月奈何天」(度重なる辛酸は雲か煙のように消えていく。芸術の世界は広く限りがない。こだわらず気ままに生きていく。歳月は人を待たない)という詩を紹介し、「まさに曽仲影さんの人生を的確に言い表したものだ」と指摘。そして、曽さんは生涯を通じて創作活動に努め、その作品は台湾音楽史の発展を見つめて来たほか、台湾の文化に深い影響を与えており、その人生はいわば台湾における近代音楽史の縮図なのだと評した。
 
 

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