蔡英文総統が3日午前、蘇貞昌行政院長(=首相)、国家通訊伝播委員会(NCC)の陳耀祥主任委員らと共に、「公共電視TaiwanPlusチャンネル放送開始記者会見」に出席した。台湾の公共テレビ局「公共電視(PTS)」が運営する英語のインターネット放送(TaiwanPlus)がテレビでも視聴出来るようになった。
蔡総統はあいさつの中で、ネット上のプラットフォームである「TaiwanPlus」が昨年8月30日に開設されてから1年間の努力の末、テレビチャンネルとしてより多くの視聴者にサービスを提供出来るようになったと説明した。
蔡総統は、過去数十年、台湾は権威主義から民主主義へと移行し、力強い公民社会を通じて民主を深化させ、強固なものにしてきたほか、さらにここ数年は対外関係も大きく発展し、新型コロナ対策でも国際的な評価を得たと指摘。また、台湾は世界の半導体などハイテク産業のサプライチェーンの面でもその一挙手一投足が影響するキー的な地位にあり、他の面でも多くの重要な発展を遂げているとアピールした。その上で蔡総統は、それらはいずれも世界と共有するに値するものであり、こうした物語を紹介していくことで、民主の価値を共有する、より多くの世界のパートナーたちを鼓舞し、「民主の盟友」の団結力を深めていきたいと述べた。
蔡総統は、イギリスのBBC、日本のNHKはどちらも世界的に知られる公共メディアで、テレビチャンネルやウェブサイトなど多元的なプラットフォームで自身のユニークな視点を世界に伝えていると説明、「TaiwanPlus」もそれを目標にまい進するよう期待した。
また、英語でのスピーチの中で蔡総統は、「TaiwanPlus」チャンネルの放送開始は台湾におけるメディアの多様性と国際的視野を広げるもので、台湾メディアの前進にとって重要な一歩になると期待、世界中で台湾に関心を持つ人が増え続ける中、国際社会において台湾を紹介するプラットフォームを築くことの重要性が増したと強調した。
蔡総統はまた、「2030年バイリンガル国家政策」においても、国内の話題を英語で紹介する「TaiwanPlus」が重要な役割を担うと指摘。政府が台湾の国際競争力向上に力を入れる中、バイリンガル人材の育成はその重要な一部で、国際社会とのコミュニケーションと交流の能力強化は台湾が世界に貢献できることを世界に知ってもらうのに役立つと述べて「TaiwanPlus」に期待を寄せた。
蘇行政院長は、台湾は自由で民主的で人権を重視しており、普遍的価値を認める国々と同一戦線にあるがいつも「悪いお隣さん」の武力による威嚇にさらされているとした上で、「それでも台湾の人々は普段どおり暮らし、経済は平常どおり発展し、民主、自由、人権も飛躍的に進歩している。どうやって成し遂げたのかを全世界が知りたがっている。台湾でもそれについて世界に知ってほしいと思っている」と述べた。
蘇行政院長はこのため台湾には声をあげるプラットフォームが必要だとし、昨年8月にネット上のプラットフォームとして放送を始めた「TaiwanPlus」が文化部(日本の省レベル)及び台湾公共廣播電視集団(Taiwan Broadcasting System)の努力により、この日100%英語のテレビチャンネルとして放送を開始することを祝賀、「TaiwanPlus」は台湾の努力を世界に伝え、世界はこのチャンネルを通じて台湾の美しさ、感動的なストーリーを知ることになると期待した。
台湾の視聴者は地上波放送やケーブルテレビで「TaiwanPlus」を観ることが出来る。海外の視聴者もホームページや動画投稿サイトYouTubeの「TaiwanPlus」ライブストリーミング放送で台湾の最新情報をリアルタイムで知ることが出来る。また、テレビのほか、ウェブサイト、アプリ、SNSなど様々な環境下でそのコンテンツを観賞することが可能になっている。