教育部(日本の文部科学省に類似)は18日、2022学年度の「台湾奨学金」及び「華語文奨学金」の新入生説明会兼歓迎会を台北市内で開催した。近年は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催が続いていたが、今年は久しぶりに500人余りの奨学生を対面式で歓迎した。
教育部は2022学年度、大学・大学院への正規留学生を対象とする「台湾奨学金」と、1年間の台湾華語(標準中国語)学習者を対象とする「華語文奨学金」を用意。今年の奨学生は世界89か国、1,000人以上に達した。歓迎会では優秀な先輩留学生2人に、台湾での留学経験を語ってもらった。
そのうち、アフリカのナイジェリアからやってきたRaphael Sunday Onukuさんは、私立台北医学大学薬学系(=薬学部)修士課程で学ぶ。台湾の優れた学術研究や科学技術の基礎、豊富で多様な文化、良好な治安や環境などに魅かれて台湾留学を決めた。学業の傍ら、留学生会の会長も務め、留学生たちのサポートを行っている。Raphael Sunday Onukuさんは「豊かな文化を持ち、発展した科学技術を持つ台湾に来ることができて光栄だ。さまざまな新しいことを学べるだけでなく、世界各地からやってきた異なるバックグラウンドを持つ留学生とも交流し、互いに学習し、成長することができる」と語った。
中華民国(台湾)の国交樹立国の一つであるセントクリストファー・ネイビス連邦からやってきたChris Tysonさんは、外交部が提供する台湾奨学金の奨学生だ(「台湾奨学金」は教育部が提供するものと、外交部が提供するものがある。外交部が提供するものは、国交樹立国の国民が対象)。現在、国立屏東科技大学熱帯農業・国際合作系で学ぶ。台湾留学経験を持つ先輩から話を聞き、自分も台湾で学ぶことを決めた。「中国語を学ぶことは非常に困難だった」と語るChris Tysonさん。台湾人学生と友達になることで中国語の環境にどっぷりと浸り、会話の練習を繰り返し、台湾の文化への認識を深めながら、中国語能力を大幅に高めてきた。また、他校の依頼を受けて母校の文化を紹介する機会もあり、より多くの人にセントクリストファー・ネイビス連邦やその文化について知ってもらうことができたという。Chris Tysonさんは、台湾は豊富な学習資源を持っており、自分の専門能力を高めることができると指摘。台湾留学によって自分の夢がかない、人生の新たな道を切り開くことができたとし、卒業後も引き続き台湾と関わっていきたいと期待に胸を膨らませた。
教育部は2004年に「台湾奨学金」と「華語文奨学金」を設置した。教育部は、奨学生たちが学業の合間に台湾各地の文化について認識を深めることを奨励すると同時に、奨学生たちが台湾各地の小中学校を訪れて自分の国を紹介することで、台湾の子どもたちが世界各国の文化について理解を深められるようなプログラムも実施している。また、奨学生たちが卒業後、台湾と各国を結ぶ懸け橋となることを期待し、海外の優秀な人材の留学を歓迎している。