2025/07/06

Taiwan Today

文化・社会

僑務委員会、親善大使選出で世界にネットワーク構築

2023/01/03
中華民国僑務委員会による国際青年親善大使の日本代表に選出された王林采予さん。台湾で広く信仰される航海・漁業の女神「媽祖」にまつわる文化を紹介したいと意気込む。(中華民国僑務委員会ニュースサイトより)

中華民国僑務委員会(海外在住の台湾出身者に関する業務全般を管轄する省庁、僑委会)は、海外の若者が華僑コミュニティに参加し、台湾をアピールできるようにするため、国際青年親善大使を選出した。日本代表には、王林采予さんが選ばれた。

日本生まれの王林采予さんは、両親が台湾出身だったため、幼少の頃から華僑団体による様々なイベントに参加する機会があった。しかし、小中学校は日本の地元の学校へ通っていた王林さんにとって、台湾の印象や出来事は、華僑コミュニティを通してでしか知り得なかった。そのため、より多くの台湾文化や関連する知識を得るのは、華僑学校に通っている生徒より困難だった。

王林さんは、高校時代を台湾で過ごした。その時の台湾の印象は、「とにかく食べ物が美味しい」ということ。滷肉飯(豚バラ肉のそぼろ丼)やタピオカミルクティなどは、日本の食べ物より美味しいだけでなく、価格も安く、日本に戻った現在でも懐かしく思うほどだ。また台湾の夜市も印象深いという。

台湾の高校を卒業後、日本の大学に進学するため日本へ戻った王林さんが残念に思うのは、台湾との接点がまた減ってしまったことだ。それに加え、学業に忙しい日々を送り、台湾について学ぶ時間も取れなくなってしまった。

そのような中、僑務委員会による国際青年親善大使選出のニュースを聞いて、王林さんは応募を決めた。この機会を生かして日本や華僑の若者に向けて台湾文化をプロモーションし、自身も台湾について学習したいと考えた。

王林さんによると、今回のプロモーションのテーマは、台湾で最も敬愛される道教の女神「媽祖(航海・漁業の守護神)」。台湾中部・台中の高校に通っていた王林さんには、旧暦の3月に毎年行われる媽祖の祭典(中国語では三月瘋媽祖とも言われ、直訳すると3月の媽祖フィーバーという意味になる)が印象に残っている。東京にも媽祖をまつる東京媽祖廟がある。外観や建物の内装だけでなく、台湾で見た廟宇(祖先や貴人の霊を祭る建物)にそっくりで、日本人に人気の観光スポットの一つとなっていることから、媽祖にまつわる文化を紹介したいと考えた。

王林さんは媽祖について、「台湾女性のシンボルの一つでもある。日本は依然として男性社会が幅をきかしており、女性の国会議員も台湾ほどいない。台湾では、蔡英文氏という女性総統がトップに立つだけでなく、様々な業界で女性の活躍がめざましい。台湾で媽祖という女神が信仰の対象となっていることも、台湾の善良なイメージを日本人にアピールできる」と語る。

「以前は台湾にあまりなじみがなく、台湾の様々な文化について、日本で触れたことがなかった」と言う王林さん。この機会にこれらの文化について学び、将来は日本の友人や華僑コミュニティの若者と共有し、誰もが台湾をよりよく知ることができるよう努める。華僑の青年と台湾との緊密なネットワークを築き、彼らが将来、台湾のために声を上げることができるようにと願う。

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