国立台湾文学館(台湾南部・台南市)は11日、今年5月にグアム博物館が主催する「2023台湾-グアム オーストロネシア国際芸術展(2023Taiwan-Guam Austronesian International Arts Exhibition)」に参加するため、グアム大学とMOUに調印した。グアム大学のAnita Borja Enriquez副学長が台湾を訪れ、国立台湾文学館の林巾力館長と調印に臨んだ。
国立台湾文学館はグアム大学の招待を受け、今年5月にグアム博物館が主催する「2023台湾-グアム オーストロネシア国際芸術展」に参加する。この展示会は、美術、演劇、先住民族文化、彫刻などさまざまなテーマの作品を展示するもので、国立台湾文学館はこの中で台湾の先住民族文学の作品を展示する。また、展示会開催時にはグアム博物館ともMOUに調印する予定だ。
国立台湾文学館の林館長によると、今回のMOUは職員や専門家の相互訪問、展覧、出版、専門分野の人材育成など多項目に及ぶ。林館長は、「グアムでの展示は格別な意味を持つ」とした上で、グアムはアメリカ領であり、南太平洋における台米協力にとって重要なハブであり玄関口でもあるばかりか、オーストロネシア語族の多様な文化や豊富な歴史が残る場所でもあると説明。今後、台湾の先住民族の作家をグアムに連れていき、講座などのイベントを開催することで、相互理解や交流を促進していけたらと抱負を語った。
国立台湾文学館では現在、台湾の先住民族文学の発展に焦点を当て、作家の手稿や愛用していた物品などを展示する「你了解我的明白——原住民族文学捐贈展」が行われている。グアムで開催する台湾先住民族文学に関する展示はこれをベースとし、オーストロネシア語族の歴史的文脈に関する展示を膨らませたものとなる予定。例えば、作家の卜袞・斯瑪哈単・伊斯立端氏が書いたブヌン語の日記、日本統治時代の作曲家でプユマ族の陸森宝(Balriwakes Raera)がカタカナで綴ったプユマ語の伝記など貴重な手稿のレプリカがグアムで公開されることになるという。